映画レビュー 「ソウ」シリーズの生みの親、ジェームズ・ワン最新作『インシディアス』





2004年~「ソウ」シリーズの生みの親、ジェームズ・ワン監督。脚本・出演のリー・ワネル。2007年、僅か135万円という超低予算で製作されたにも関わらず、世界興行収益180億円をたたき出したオーレン・ぺリ率いる「パラノーマル・アクティビティ」スタッフ。この新世代のホラーマスター達がタッグを組み、究極のホラー「インシディアス」(人をだまそうとする、狡猾な~INSIDIOUS~)がいよいよ上映される。
ヒロインのルネ(ローズ・バーン)と夫のジョシュ(パトリック・ウィルソン)が3人の子供たちと新居に引っ越してくる。やがて、屋根裏からの不審な音や赤ちゃん用のモニターから聞こえる謎の声等、怪奇現象が起き始め、ついに小学生の息子ダルトン(タイ・シンプキンス)が屋根裏の梯子から落ちるという不慮の事故に遭遇し、こん睡状態に陥る。家族はあわてて引っ越すが、次の家でも怪奇現象が起こり、霊媒師や牧師の助けを借りて「なにか」と戦うルネとジョシュなのだが、ある秘密と共に恐ろしい事件に発展していく。
この映画、導入部から前半パートは、よくある「お化け屋敷」ものだと思ったのだが、折り返し地点で登場する「ゴーストバスターズ」によって俄然映画の雰囲気が一変する。「フロム・ダスク ティル・ドーン」のような2部構成といっても差し支えないと思う。ルネ役のローズ・バーンは「マリー・アントワネット」「サンシャイン2057」「28週後…」、最近では「ノウイング」や現在公開中の「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」にも出演している、ちょっと神経質そうな顔立ちがこの映画の母親役にぴったりの女優だし、夫のジョシュ役のパトリック・ウィルソンは「オペラ座の怪人」のヒットで有名になり「ウォッチメン」「特攻野郎Aチーム」等話題作で最近よくみかける俳優なのだが、しかしこの映画の主役はあくまでも「カメラアングル」であり「音」なのである。「ソウ」のような残酷な流血シーンはなく、そういう意味では「パラノーマル・アクティビティ」色が強い内容なのだが、後半の物語の予想外の展開は「さすが「ソウ」のスタッフ」と唸らせる。「新しい恐怖」を創りだそうとするスタッフの熱意が感じられるエンタテイメント作品。
レビュアー:JJ堀尾
タイトル:『インシディアス』
公開表記:8月27日(土)、シネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて公開
配給:ショウゲート
公式サイト:http://www.insidious.jp 
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