映画『Dプロジェクト』上映会レポート!山岸謙太郎監督独占インタビュー!

Dプロジェクト

2000年から活動を続けているインディーズ映画製作チーム「Project Yamaken」の代表、山岸謙太郎監督の最新作『Dプロジェクト』が現在公開中。

激しいガンアクションと群像劇が合わさった30分構成の映像作品で8月12日(金)~20日(土)の期間、「北とぴあ」と「ステージカフェ下北沢亭」で上映が行われている。

『Dプロジェクト』はもともと「劇団6番シード」の同名タイトルの短編プロモーションムービーを「Project Yamaken」で製作しYou Tube上で公開したところ、反響が良かったため本格的な映画製作へと移行したものである。全7編という構成で2編ずつ製作し、その都度イベント上映をし、上映による鑑賞料とグッズの売上を次回の2編の撮影予算に充てられるという手法がとられている。

物語は2人の男女が出会うところから始まり、様々な個性的な登場人物が2人と関わっていく中、レストランでの襲撃者による銃乱射事件をきっかけに物語が展開。作中には物語の鍵となる場面が随所に散りばめられているので、本作の30分だけでは完結せず次回作が非常に楽しみになるような作りとなっている。最終的には2時間映画としての完成を目指しており、本上映会の鑑賞者は参加することで映画製作の助けになっているという非常にインディーズらしい試みといえるだろう。

■「Dプロジェクト」原点となる劇団6番シードのプロモーション映像

■ストーリー
【トウドウ編】
うだつの上がらないフリーターのトウドウは都会の街角で美しい歌声を響かせていたクリュウと出会う。二人の仲は急接近し、トウドウはクリュウのライブをプロデュースしようと奔走する。しかし、謎の犯罪集団「アタッカーズ」のリーダーUDA、政権交代を果たした内閣総理大臣オザワ、そしてフリーライターのシーナの影がクリュウに迫っていった・・・。

【ツチヤ警部編】
公安部の刑事ツチヤは、国際指名手配犯UDAのアジトを突き止める。しかし時既に遅く、UDA率いる「アタッカーズ」は、首都を揺るがすテロ事件を発生させていた。事件の鍵を握るクリュウを突き止め、トウドウと共に逃げるツチヤ。そして「Dプロジェクト」という謎のプロジェクトの存在に迫っていくが・・・。

本編上映後には、メイキング映像を見ながら監督とキャストたちによる生の声でのコメンタリー企画が行われた。作中のあるシーンでは「ProjectYamaken」の事務所を使って撮影が行われていることなど、限られた予算面で工夫をこらしながら制作されていることが伺えた。さらに、役者からのアドリブもスタッフに受け入れられ、そのアドリブを生かす為に別カットを何テイクも撮影し直すという、相互交流が活発な現場ったようだ。本上映会で上映された本編映像とメイキング映像が収録されたDVDや絵コンテ、ポスター、台本、Tシャツが上映会終了後に販売されており、全てを購入すると更に「おまけDVD」がつくという、なかなか太っ腹なサービスとなっている。ちなみに、本編よりもメイキング映像が長いため、グッズ販売の発表中に「本編がおまけ」と周りからツッコミが入っていた。

『Dプロジェクト』のガンアクションはメジャー作品にも見劣りしない素晴らしい出来になっているので、是非興味の湧いた方は今後の上映会に積極的に参加して観ておくことをおすすめする!

■山岸謙太郎監督ご挨拶
劇団の方たちと一緒にインディーズ映画を作るという変わった企画です。上映方法も30分ずつ撮影したものを公開し、それを4回行うことで2時間の映画が完成するという方式をとっています。どうしてそういうやり方なのかと言いますと、これだけスケール感のある映画をインディーズで作るのはすごく大変なことでして、それをファンの皆様に上映という形で助けていただく必要があるからなのです。脚本家の松本さんと夢のように語っていた話が今現実になりつつあります。しかしここでお客さんに認めていただくことが出来なかったら僕らは続けることが出来ません。認めてもらえなかったらやる意味もないと思っています。こうやって皆さんに観に来ていただいて声援をいただけるとそれが次の作品の血となり、肉となるんで面白いと思っていただけましたら声援をよろしくお願いします。

山岸謙太郎

↑山岸謙太郎監督

■インタビュー

――今後、全上映に参加された方にDVD等の鑑賞特典はあるんですか?

山岸監督:手伝っていただいたお客様にはエンドクレジットに名前を載せさせていただいたり、特性の『Dプロジェクト』に参加しましたよというカードを差し上げたりということはさせていただいております。
長い期間参加していただいた方には関係者試写会にご招待というのはやっています。

――襲撃者、アタッカーズの髪型やメイクは役者さんにお任せしているんでしょうか?

山岸監督:いや、メイクさんがいましてアタッカーズは撮影の2時間前入りでしたね。

――あれだけのメイクだと相当苦労されたんじゃないでしょうか?

山岸監督:そうですね、髪型もそれぞれ個性的なんで結構時間がかかりましたね。でもちゃんと出来る方たちなんで安心して任せています。

――今作の役者さんが皆さん劇団員の方で非常に演技力の高い方々が集まっていますが、テイク数も日数としてもそんなにかからなかったのではないでしょうか?

山岸監督:そうですね、むしろ我々スタッフ側がご迷惑をお掛けすることの方が多かったかもしれません。

――SNS等の感想によっては今後の展開に変化は起きますか?

山岸監督:お客さんの感想云々でストーリーの筋が大きく変わることはないと思いますが、僕達が思っていた以上にアタッカーズの人気が出ているんで、もうちょっと彼女らを盛り上げても良いんじゃないかなと脚本家の松本さんと話し合ったりしています。今回の上映をしてみて、「あの役者さん良かったから、もう少し活躍させたいねとか」とかちょっとずつ変わってきてはいます。

――これを最終的に2時間の映画作品として出すときには初期で作ったものは編集で変わるんじゃないでしょうか?

山岸監督:そうですね、一本通してとなると当然編集の仕方は変わってきますね。

――今回観ていて思ったのが、これはクリフハンガースタイルで終わるから、毎回それでやっていけば次が絶対に観たい!ってなるしこのように小屋で巡業していくスタイルもサーカス団ぽくて面白いなと思いました。それにDVDを早く出すのもリスクがあるのかなと思ったんですが。

山岸監督:それは思ったんですが、劇団さんとしては「熱があるうちに出すのがベストだ」という考え方で、僕たちインディーズは作るばかりで売り方が下手なんです。ところが小劇団の方たちというのはファンとの距離が近い。ファンの皆さんことを考え上映直後に売るというのが絶対ベストだとわかっているんです。私たちとしては「DVDを売ったら上映に来なくなる」と思ってしまうんですが、そうではなかった。DVDを買ってもリピーターさんは来てくれました。

――30分刻みで制作して上映するという発想のきっかけは何だったんでしょうか?

山岸監督:劇団主催の松本さんに頼まれ、劇団のプロモーションビデオとして3分くらいのフェイク予告を作ったんですね。もうフェイクなんで、ハリウッド張りにスケールの大きなものをやりたい放題に。
そうしたらファンの皆さんが「本編が見たい!」「本編あるんでしょ」と。この期待に答えなければならないと思い色々考えていたときに松本さんから今回の30分刻みに上映していくというアイディアを頂いたんです。

――初めて観た時にレストランの虐殺シーンでこれは凄いと思って、ここを撮るだけで労力が凄いだろうなと思ったら、やっぱりメイキングをみたらかかってましたね。

山岸監督:プレビズを作る余裕は無いので、僕が絵コンテを描いてみて頭のなかで再生してみたんです。これを作る際には洋画のどれを参考にしようかなと考えたんですが、僕は『トゥルー・ロマンス』後半の銃撃戦がコンパクトだけどすごく荒々しいじゃないですか。こういうまとめ方が出来るんじゃないかと思って研究しましたね。

――もう次の撮影は決まっているんですか?

山岸監督:やる方向では動いているんですが、一応観客動員数が目標数いなかったら・・・という約束になっているんで、それ次第です。

――スタッフは今でも募集されていますか?

山岸監督:毎撮影ごとにしています、ホームページ上で募集しているんでぜひ興味があればよろしくお願いします。

――これからもまだ第1部の上映は続きますが、ここは特に注意して観てほしいというポイントがあればお願いします。

山岸監督:ストーリーとしては群像劇なんでそれぞれ7人の主要な登場人物が出てくるんですが、どういうふうに絡み合っていくのか、当然最後は収束しいくんですがその辺を想像してもらいながら観ていただいて、これがどう関わっていくんだと考えていただけるとちょっと面白いかなと思っています。

――ありがとうございました!

[取材:畑史進]

『Project Yamaken』とは・・・
2000年からインターネット上で『映画を作りたい』という思いで集まった非営利映画制作団体。2009年公開の『キヲクドロボウ』は『第11回上海国際映画祭パノラマ部門』に入賞。2012年公開の『東京無国籍少女』はアクションムービーコンペティション2012で『押井守審査委員特別賞』を受賞し、押井守監督自身の手でリメイクされる等、今多くの人達から注目を集めている。
http://www.projectyamaken.com/

『劇団6番シード』とは・・・
1992年に旗揚げした東京を中心に活動している劇団で本作『Dプロジェクト』の脚本を務めている松本陽一が代表を務めている。『Dプロジェクト』は本劇団の役者を中心に小劇団の役者を積極的にキャスティングしている。
http://www.6banceed.com/

新作『Dプロジェクト』上映イベント
8月12~20日、メイキング同時上映イベント実施中!
http://dproject-movie.com

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

東京無国籍少女 [ 清野菜名 ]
価格:4111円(税込、送料無料) (2016/8/19時点)

コメント

タイトルとURLをコピーしました