ワーナー『LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒』&『レゴ ザ・ワールド』開発者インタビュー!


東京ゲームショウ ビジネスデー1日目に都内某所にて「レゴ・スター・ウォーズ フォースの覚醒」「レゴ ザ・ワールド」「バットマン アーカム・アンダーワールド」のワーナー・ブラザーズ・ジャパンによるマスコミ向けのプレゼンテーションが行われた。

本プレゼンテーションはTTゲームスのアソシエイト・プロデューサーのティム・ワイルマン氏が実際のゲームをプレイしながらの形式で進められ、その後開発に関するインタビューの場が設けられた。

[取材・文:畑史進]

■「LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

「レゴ・スター・ウォーズ フォースの覚醒」はその名の通り「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を追体験できる内容となっており、更に映画では語られなかった部分や前日談が収録されていることが注目されており、それら全ての音声がオリジナルキャストによる吹込みがされているのも話題になっている。スター・ウォーズファンには決してスルーすることが出来ない作りとなっているので要チェックだ。

―――レゴゲームは映画を高い再現度で描いていますが、今作「フォースの覚醒」を作るときにはいつ頃映像が届いたのでしょうか?

ティム:随分前で詳細な時期は覚えていませんが、お互いに仕事の性質は理解し合っています。またルーカスフィルムとも長い付き合いですので、我々の仕事に関して共通の認識が出来上がっていました。ですから必要なものはかなり早い段階で独占してアクセスすることが出来ました。

―――こだわって作られたシーンやメカニックは何でしょうか?

ティム:複数ありますが、一つ上げるとすればやはり飛行戦の部分です。ここは我々にとっても初めての試みでしたし、新たな課題を作ってクリアしていかなければなりませんでした。ここをしっかりと再現することで、映画への忠実性を出したかったし、飛行戦も20パターンあり、それら全てが同じものではなく違っているものを作るように心がけました。

―――レゴ・シリーズはレゴという皮を被った追体験ゲームだと思います。ここまで徹底して作られるのはどういうコンセプトなんでしょうか?

ティム:映画の追体験をするというのは私達にとっても最重要事項でしたし、ユーモアの部分も含めてしっかり作りたかったです。この開発をする上でレゴとルーカスフィルムの密な関係で開発を進めたかったですし、ルーカスフィルムにとっても映画のムードを壊さないということもこだわっていました。

―――過去のレゴ・スター・ウォーズでは台詞は一切喋ることなく「レゴ・ザ・ムービー」あたりから喋るようになって、それがスタンダードになっているのですが、台詞があることで作りやすかったのではないでしょうか?

ティム:映画に忠実に作ることや、キャラクターに命を吹き込むことが出来る事を考えると良いことだと思います。昔のようにシンプルな表現が良いと言う人もいる思いますが、感情の表現を豊かにすることが出来ました。

―――個人的好きだったのがTPSの要素ですが、小さな子供にとってはハードルが高いと思いますがどうでしょうか?

ティム:これに関してはイエス&ノーだと思います。私達としては小さな子供を拒絶しているわけではありませんし、ゲームをプレイしてほしいです。わかりにくいかもしれませんが、やはりゲームをする以上チャレンジがある程度は必要ですのであまり簡単にしすぎたくないのです。

―――この作品でスター・ウォーズファンは気になるんですが「フォースの覚醒」で描かれなかったシーンをこのレゴ・スター・ウォーズで描くというのはルーカスフィルムの監修のもとやっていると思うのですが、どこまで許されたのですか?

ティム:ルーカスフィルムは最初期から最後までつきっきりで監修をしていたので、ゲームに関するブリッジコンテンツによって必要なものは全てルーカスフィルムから頂いた物となっています。彼らの納得行くものとなていますし我々が思いついて勝手に入れたものはありません。

―――つまり本作品はブリッジコンテンツとして追加された部分はその歴史に入るということですか?

ティム:はい、リンクしています。そして今コンテンツはブリッジコンテンツの一つとして「幻の腕」というC-3POが赤い腕をしていましたが、その秘密が明かされることになっています。既にコミックにもなっていますが、本作品では追体験できるようになっています。さらにその腕を手に入れた惑星も本作品で初めて映像化されます。

―――つまり「フォースの覚醒」のビハインドな物語を知りたかったら本作品は外せないということでよろしいでしょうか?

ティム:そうですね、エピソードⅥ~Ⅶの間に何が起こったのかということも描かれます。当然全てではないですが、重要な部分はあります。そして実際に出演した俳優陣も全員映画では語られなかった部分も吹き込んであります。ハリソン・フォード、デイジー・リドリー、ジョン・バレイド日本語でも同様です。

―――過去作エピソードⅠ~Ⅵのキャラクターはどれほど出ているのでしょうか?

ティム:性格な数はわかりませんが、スター・ウォーズのキャラクターは200ほど用意されています。プリクエル、オリジナルはもちろんTVシリーズも登場出ています、もしかしたら知らないキャラクターもいるかもしれません。

―――それらのキャラクターも声が当てられているのでしょうか?

ティム:ゲームの進行上出て来るキャラクターは全てフルボイスになっていますが、一部のキャラクターは声が入っていないことがあります。またサイドミッションではストーム・トルーパーや反乱軍の兵士たちが様々な任務を与えます。

―――スター・ウォーズファンにとって気になるところなんですが、ディズニーサイドから注文はあったのでしょうか?

ティム:ディズニーからはありませんでした。ルーカスフィルムからはありました、最初に話したとおり最初から最後まで監修していたので厳しい意見や指摘もありました。ただそのおかげでこれだけの物を皆さんに提供すること、公式なスター・ウォーズ・ユニバースに加わることが出来ました。

―――ハード別の違いがあったら教えてください。

ティム:据え置き機と携帯機ではやはり機能差から画像の解像度から色々な違いが出来ます。PS4のハイスペックなものが観たいという方もいらっしゃるでしょう。ただゲーム内の要素は変わりません。

■「レゴ・ザ・ワールド」

本作品はレゴ版マインクラフトのような内容になっていて、ランダムで生成された幾つかのワールドを自分好みにカスタマイズ、または冒険に出ると言った内容になっており無限大の可能性、遊びを秘めたゲームとなっている。2人プレイも実装されており、互いに協力して街を作ることはもちろん、片方が街を作るのに対して、もう片方が破壊の限りを尽くすと言った事も可能なので実に魅力的な内容だった。2017年中のPCでのリリースが予定されている。

―――見ていて思ったのが、ビルディング系のゲームは最近のはやりで、そこのシェアに乗り込もうと思って作ったのでしょうか?

ティム:そうではなくて、我が社もレゴとの関係が長く、レゴをどのように活かすのか工夫をしてきたわけです。元々その一環でどんどん膨らんできた感じですね。

―――オフラインでの二人同時プレイも出来るんですか?

ティム:もちろんです。スクリプト画面でのプレイになります。

―――オンラインにするとサーバーの維持とかが大変になりますが、オンラインは2人までじゃないですか、ユーザーを確保するのも大変だと思いますが。

ティム:これはまだ作られたばかりの小さな段階で、将来的には知っている人、友達とのコラボも想定しています。

―――これも新たなレゴ・シリーズになると思いますが、このようなビルド系で拡張パックとしてスター・ウォーズやバットマンのようなコラボは考えていらっしゃいますか?

ティム:今の現段階では考えていませんが、将来的にいいパートナーシップを築けるのであれば扉を閉ざしてはいませんよ。

―――レゴ・ワールドの初期の構想は「ポピュラス」ぽかったでしょうか?

ティム:そうかもしれませんが、テクノロジーも進化しましたのでこれだけのディテールを用意することも出来ましたし、レンダリングも用意するのもかなり大変ですし、光の具合とかも開発にはかなりかかっています。

―――他のレゴゲームとは違ってオブジェクトの数がすごく大変だと思うのですが

ティム:そうですね、チームは非常に素晴らしい仕事をしてくれたと思います。ここで得たものは他のレゴゲームに活用したいと思います。先程のスター・ウォーズでも全部レゴで作ってしまうとリアリズムを追求することはできなかったのですが、他のゲームではやっていきたいと思います。

―――これだけオブジェクトを組み合わせているとデバックの際コリジョン落ちが大変だったと思います。

ティム:過去にもデバックでは頻発しましたが、今ではクリアして世界自体もここまで作り上げることに成功しました。将来的にはスチームでダウンロードできるようになったらユーザーの声も聞いて完成度を上げたいと思います。これはかなり長期的になると思います。

―――つまりキャラクターの追加配信も可能になるということですね

ティム:そうですね、新しいキャラも今後は追加していこうと思います。今目指しているのは現実の世界でレゴのセットを買ってゲームにインポート出来るということも考えています。

―――自分のキャラクターメイキングは出来ないのでしょうか?

ティム:細かい部分を入れるというカスタマイズは私自身も望んでいます。このゲームはまだ早い段階だと考えています。

―――本格のロンチはいつ頃を考えていらっしゃいますか?

ティム:厳密には言えませんが、2017年にはと考えています。

―――これはかなりのビッグビジネスだと思いますし、日本ならではの追加コンテンツも用意すれば面白いと思います。

ティム:そうですね私達の夢ですね。まずは手元にあるものを固めていきたいと思います。まだまだ様々な意見を求めて取り入れていきたいと思います。

―――乗り物を作るなどは考えていらっしゃいますか?

ティム:現時点では無いですね。今後やらないということではないですが、個人的にはそれあったほうが良いと思いますし、可能性はありますよ。

―――レゴは特に子供がユーモア溢れるものを作ると思います。動物をカスタマイズして新たな新生物が作れたら良いですね。

ティム:確かにそうだと思います、実現できたら素晴らしいと思います。

―――レゴは組み立てたりすると見せたくなると思うのですが、ウェルカムハウスのような機能は実装されますか?

ティム:コードをそれぞれ用意してありますので、そのコードを用意したらそのワールドを訪れる事ができますので可能です。ソーシャルの部分は重症視しています、スチームやツイッターでも自分の成果物を共有していきたいと思います。

―――ワールドの生成はランダムなのでしょうか?和風なレゴ忍者やレゴ・ザ・シティのようなものはありますか?

ティム:今の段階ではランダムです。将来的にはレシピ的なのもあるかもしれません。

―――宇宙ものも欲しいところですね

ティム:たしかにそうですね。このワールドにある月もレゴで出来ていますので、将来的には拡張パックを作って宇宙に行って、月で何かを作るということもありだとは思います。このゲームには様々な可能性を秘めていると思います。

―――マシンパワーがかなり必要だと思いますが、現段階のゲーム機に移植はできますか?

ティム:そうですね、現段階ではこれが最高のパフォーマンスを出しているので、コンシューマー機に移植する際は少しディティールが落ちるとは思いますが、可能だと思います。しかし現段階では移植は考えていません。

―――将来的には複数人でのプレイは可能でしょうか?

ティム:現段階では考えていません、それは安定性に重きをおいているからです。今後その可能性はあると思います。

■「バットマン アーカム・アンダーワールド」

本作品はアイテム課金制の戦略シミュレーションゲームとなっていて、他の人が作った基地に潜入するという要素も入っているスマホゲームとなっている。さらに「バットマン」や「アーカム」と入っているにも関わらず、悪役たちがメインとなっているゲームであることにも注目だ。

自分が悪役たちを使う側になってゴッサム・シティの裏社会を牛耳っていくという内容で、各ミッションをクリアすることで戦力アップや秘密基地の拡張をしていくのが目的となっている。ミッションクリアには偵察を行い、各マップの攻略に入るが、攻略の際に予期せぬ出来事に巻き込まれていかに臨機応変に対応することが出来るのかが注目ポイントとなっている。さらに有名な悪役たちを能力ごとに如何に使い分けて進めるのかというのも面白みを深めていく事につながっている。

『LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
http://wwws.warnerbros.co.jp/game/legostarwarstfa/

「レゴ・ザ・ワールド」
http://store.steampowered.com/app/332310/

「バットマン アーカム・アンダーワールド」
https://itunes.apple.com/jp/app/id960120322

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