Netflixオリジナル映画『オクジャ/okja』来日記者会見にポン・ジュノ監督が登場!


ポン・ジュノ監督最新作となるNetflixオリジナル映画『オクジャ/okja』が6月29日(木)より全世界オンラインストリーミングを開始する。

■ポン・ジュノ「宮崎駿、押井守の影響を受けた」

『オクジャ/okja』は『グエムル 漢江の怪物』『スノーピアサー』など韓国を代表する巨匠ポン・ジュノ監督とブラッド・ピットの製作会社プランBが組んで製作されるNetflix オリジナルのグローバルアドベンチャー映画です。ミジャという少女が、巨大な多国籍企業に追われる親友の“オクジャ”という巨大な動物を守るために、冒険を繰り広げる壮大な物語。

今回、本作の配信開始を記念して、本作の監督、共同脚本、そしてプロデューサーであるポン・ジュノと、主人公ミジャを演じた韓国の天才子役アン・ソヒョンが来日し、記者会見を実施した。

まずは監督、共同脚本、プロデューサーを務めたポン・ジュノから「本日は記者会見にお越しいただきありがとうございます。ジャパンプレミアでは日本の映画人の皆さまにお会いできることを嬉しく思います。」という挨拶から始まった。次に主人公ミジャを演じたアン・ソヒョンから流暢な日本語で「初めまして、ミジャを演じたアン・ソヒョンです。」と挨拶があり和やかなムードに会場は包まれ、質疑応答が始まった。

Q:今回の作品『オクジャ/okja』について、どのような想いでこの作品を制作されたのでしょうか?

ポン「美しい少女と、従順な大きな動物の愛の物語として、あくまでラブストーリーとして作りました。私にとって初めてのラブストーリーです。この動物と少女の愛を妨げる怖い世の中も映画に登場します。」

Q:アン・ソヒョンさん演じるミジャが、オクジャのために身体を張って頑張る姿が胸を打ちました。ソヒョンさんは、どのような想いで演じられたのでしょうか?撮影時のエピソードがあれば教えて下さい。

アン「ミジャにとってオクジャとは、記憶のない両親や妹のような存在で、もし連れていかれるとしたら助けない人がいるでしょうか。家族だから当然助けなければいけないという思いで、後先考えずにオクジャを助けるんだという気持ちで演じていました。オクジャとミジャが渓谷で魚を食べるシーンで、オクジャが水に落ちるのですが、波の波動を作るために水鉄砲を使って撮影しました。普通の水鉄砲ですが、20回以上も撮影をしたので、どんな魚も死んでしまうなと思って、このシーンが記憶に残っています。」

ポン「(日本語で)ほんと、すみません。監督が悪魔です。」

Q:2100 人以上の候補の中から、アン・ソヒョンさんをミジャ役に選んだ理由を教えてください。また、ソヒョンさんの演技はいかがでしたか?ソヒョンさん、ミジャ役に選ばれた時のお気持ちをお聞かせ下さい。また、監督との初めてのお仕事はいかがでしたか?

ポン「オーディションでたくさんの俳優にお会いしたが、ソヒョンさんは常に候補者リストのトップにいました。『ある怪物』という映画で非常に印象的な演技を見せていて、ありがちな子役の演技とは全く違う演技を見せていて印象的でした。他にもイム・サンス監督の『ハウスメイド』にも出演していて、経験豊富でしたので事前に彼女に会って話を進めていました。関心をもっていたが、あくまでオーディションですので、他の候補者の方とは公平にしました。それにも関わらずプロデューサーを務めたティルダと私は彼女への関心を止めることができませんでした。まさにこの子なんだなという確信をずっと持ち続けていました。」

アン「ミジャ役に2100 人の中からキャスティングされたと聞いたとき、1/21 と間違えたのではないかと思いました。オーディションに通ったという感じではなく、自然とキャスティングが決まった。その気持ちは公開された後にじわじわ来ると思います。」

ポン「新入社員の面接のようではなかった。彼女は俳優である以前に学生であるので、事務所に来てと声をかけました。オクジャの模型を見せたり、お菓子を食べたり、何度か会う機会を作りました。ある日突然キャスティングされたことを伝えたのではなく、会話の中でシナリオを読んでみる?と声をかけて自然に映画に入り込んでいた状況でした。」

アン「撮影中に感じたのですが、これほど俳優のことを気遣ってくれる監督はいないと思いました。これから色々な方とご一緒することになると思いますが、監督のような人はいないと思います。」

ポン「リラックスした雰囲気の中で映画作りをしたいと考えていました。今作はスケールの大きな作品で一世一代の機会だからしっかりやらなければとか、ジェイク・ギレンホールやティルダ・スウィントンが出演するからといって意識させることはしたくなかった。だから色々な話をしながら撮影していたが、いざカメラが回ると、ものすごい集中力を発揮する女優でした。」

Q:『オクジャ/okja』がカンヌ映画祭のコンペティション部門にノミネートされ、劇場での上映有無や“映画の定義とは何か?”の議論が話題となりました。監督の考える“映画とは”についてご意見を伺えますか?

ポン「私は映画の作り手として、映画の定義をすることには難しさを感じることがあります。映画を観る方法には様々な形があると思います。スクリーンで大勢で観るのは最も美しい形であると思います。ですがテクノロジーの発展によって、ホームシアターを備えた家のスクリーンで見ることも可能になりました。ストリーミングで観ることも一つのかたちではないかと思います。60 年代にもテレビが登場したことによって、映画は終わったと感じる人もいました。現在、テレビと映画は共存していますし、デジタルストリーミングも今後、平和的に共存すると思います。その規定については、映画産業に携わっている方が整理していくべきだと感じています。ただ、Netflixには、大きな予算が与えられるのにも関わらず、100%創作の自由が与えられ、クリエイティブをコントロールできる環境があります。既存のスタジオではなかなか出来ないことであり、多くのクリエイターにとって魅力的なことは確かです。Netflixは劇場公開にも柔軟な対応をとっており、自分の作品を大きなスクリーンで上映したいという監督たちの渇望にも応えることができるのではないでしょうか。」

Q:監督は、本作の自然の表現が宮崎駿監督作品に影響を受けていることを公言されていますが、主人公ミジャの強さや純真さも、宮崎作品に出てくる主人公と似ているところがあると思うのですが、いかがでしょうか?

ポン「女の子版『未来少年コナン』だと思っています。大自然のなかで生活しているところや、ずっと走っていて誰にも止められないところとか笑 しかし宮崎作品にだけ影響を受けているわけではありません。「ブタが都会にいく」というところはジョージ・ミラーの『ベイブ』に影響を受けていますし、NYのパレードのシーンは押井守監督の『イノセンス』のシーンを再現したいと思いました。」

Q:アン・ソヒョンさんへ質問です。今回カンヌやLA で会見やプレミアを行いましたが、これをきっかけに海外作品への出演オファーがあったらどうしますか?

アン「当然当然、海外の作品に参加したいと思っています。色々な人の人生を体験できるのが女優の仕事の素晴らしさだとおもします。私は『君の名は。』や『ハウルの動く城』など日本のアニメ・漫画や音楽も大好きです。いまiPod の中には韓国の曲は一曲もなく、日本の曲ばかりです。歌手になるには歌の実力など心配な面もあるので、いつか『君の名は。』の三葉のような、声優のお仕事もしてみたいと思っています。」

Netflixオリジナル映画
『オクジャ /okja』
6月28日(水)より全世界同時 オンラインストリーミング
Netflix:https://www.netflix.com/jp/

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