『こどもつかい』大ヒット御礼ティーチングイベント レポート


『呪怨』シリーズをはじめ数々のヒット作を生み出した清水崇監督が、本作で記念すべき映画初主演を果たした滝沢秀明とともにおくる、新感覚のホラーエンターテイメント『こどもつかい』が大ヒット公開中!

7月5日新宿ピカデリーにて清水崇監督、ジャンクハンター吉田、「とみだドール映画祭」主催者とみだ嬢の3名が本編上映終了後に登壇し『こどもつかい』の魅力を語り合うティーチングイベントが行われた。

[取材・文:畑史進]

本作品の上映終了後という熱の冷めやらないうちのホラー好き3人のトークショーということもあり、またもう一度観たくなるような作品を掘り下げるようなトークイベントとなった。

まず本作品についてジャンクハンター吉田は「清水監督の作品を長年見てきましたが『こどもつかい』は観た瞬間に面白かったと監督にメールを送りました。この作品はクラシカルな部分を踏まえつつも、新しい部分をねじ込んでいるのが心に響きました。特に本作に出演する有岡くんの演技が良かったですね。彼は『ヒルナンデス!』のイメージしか無かったのですが、今作では非常にいい演技をしたと思っていて、そこは清水監督の手腕が光ったのだと思います。この作品で清水監督は呪怨のイメージを払拭したと思います」とジャニーズファンでいっぱいの席を賑わした。

続いて、とみだ嬢は「タッキー演じる『こどもつかい』が直接手を下さず、子供を使って呪いを行なうのがジャパニーズホラーとして珍しく面白い」と評し会場を唸らせ、清水監督も第三者を駆使して呪いを実行する部分は自身の挑戦的な演出であったと振り返った。また、とみだ嬢から参考にした作品は何があったのかと尋ねられると清水監督は野村芳太郎監督の『鬼畜』を子供の頃にテレビで観て、子供が劇中に回すオルゴールが切なくも楽しいメロディーにも関わらず、かかる度に怖くなっていく様を本作に活かして観客の心の中に入っていくように出来ないかと挑戦したと明かした。

この歌に関連して清水監督が楽曲考案中に子供とお風呂に入って歌っていると「幼稚園で変な歌を歌っている子供がいる」という噂が立ってしまったことや、吉田も自身の娘がCMを観たことで夜に子供たちに走って追いかけら襲われる夢を観たというユニークなエピソードが連発。

「こどもの歌」の歌詞について本日始めて清水監督からその元ネタについて触れ、歌詞中にある「おいない おいない」は伊勢地方の「おいで」という今でも使われている方言から来ていることや「カンクローさん」は以前仕事をしたことのある前田愛の主人である中村勘九郎がホラー映画の大ファンでいつか清水監督の作品に出たいと話し、今回のCMで歌詞を耳にしてからは自分の中村勘九郎が自分の事を歌っているんじゃないかとソワソワしているという内容のメールが届いたというエピソードも披露した。

観客からの質問コーナーにな入ると、吉田やとみだ嬢を唸らせる質問が連発。「コミカルなシーンが多いのはどうして?」という質問に清水監督は、「子供の怖さを探す時に彼らの無邪気さが一番怖いのではないかなと思ったんです。大人でも天然の人とかいますが、子供たちの無邪気さというのは彼らが笑えば許さざるを得なくなるという状況が多いと思います。その行き過ぎた無邪気さの先にある怖さを以前から考えていて、滝沢さんが楽しんでいるかと思っていると、突然怒ったりするなど喜怒哀楽のあるキャラクターを演じてもらいました」と説明した。その後カットしたシーンには滝沢がアイーンをしたり、にぎりっぺをするシーンがあり、映画全体の構成から泣く泣く削除したと話し、ディスク化の際に特典映像として収録するよう、とみだ嬢や吉田を始め会場からから熱い希望の声が湧き上がった。

最後に清水監督から「男性のお客さんが少ないようなので、是非気に入っていただけたらご主人や恋人や友達等に声をかけていただけたらと思います。ジャニーズの方が2人出ていてもジャニーズ映画になっていませんし、ホラー映画でもドラマを重点になっているので広くおすすめできる映画になっていると思いますので是非クチコミで広めていただけらと思います」という言葉で締めくくられた。

追記:とみだ嬢からのコメント
ティーチインの中で『鬼畜』(1978年 野村芳太郎監督)という作品について言及がありました。(実は、私が人生で一番泣いた映画が『鬼畜』です。)この物語の中では、大人とこどもは断絶した関係にあります。そのことは、この作品の本質的な怖さだと言えます。一方『こどもつかい』という映画は、この大人とこどもの断絶を、繋ごうしているような作品です。主人公の尚美が、過去に母との間に起きた出来事の真実を知る場面が終盤にありますが、そのとき彼女がとるある行動は、私が『こどもつかい』で最も好きなシーンの一つです。ホラー映画というものの中で、他人を理解することや、自分の中の恐怖と闘うということが描かれていることを、『こどもつかい』と通じて感じとっていただけたらと思います。

『こどもつかい』大ヒット公開中!
企画・配給:松竹
(C)2017「こどもつかい」製作委員会
公式HP:http://kodomo-tsukai.jp/

コメント

  1. 肉ワイルド より:

    清水監督のお話を動画で聞きたい。眼鏡をかけてないと、とみだ嬢って分からないな

タイトルとURLをコピーしました