国産特撮映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』 岡部淳也監督 独占インタビュー

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国産特撮映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』が2017年11月10日(金)より、TOHO上野他にて全国ロードショーとなる。

本作は1970年台に人気を博した特撮番組『スーパーロボット レッドバロン』と『シルバー仮面』の2作品の世界、登場人物が1つの作品として合わさってリブートされた異色の作品だ。今回、エンタジャムでは脚本・プロデュース・監督を務めた岡部淳也監督にインタビューを申し込み、映画製作の背景や特殊造形への思いを伺った。





[取材:畑史進]

—本作は『スーパーロボット レッドバロン』と『シルバー仮面』の2作品を1つにしたものですが、これはどういう経緯で決まったものなのでしょうか?

岡部:2作品の版権は当時製作した宣弘社が管理されているのですが、『シルバー仮面』『レッドバロン』『アイアンキング』の映画化権利をアルバトロスジャパン(代表:村田修一)が持たれていました。資金面や映像制作面で何年かお蔵入りになっていたのですが、とうとう出資元の目処が立ちそうだという時に私に繋いでいただいて、出資に対する法務やビジネスプランを組んで予算や製作の段取りをつけていきました。最初は“宣弘社作品である『シルバー仮面』『レッドバロン』『アイアンキング』の3つの作品を合体させ『ブレイブストーム』という映画を製作する”というアルバトロスが作成した企画内容の打診でしたが、映画的に90~120分の尺と予算内で3つの作品を混ぜるのは無理があるため、私の方で『シルバー仮面』と『レッドバロン』の2作品に焦点を絞って合体させた内容に全て作り直し、最終的には決まりました。



—本編を拝見したばかりで高揚しているのですが、『パシフィック・リム』や『アベンジャーズ』系の作品が海外に持っていかれている中、国産映画でこういった「見せ方」が分かっている映画が撮れるんだと言うことに驚きました。

岡部:ありがとうございます。私が思うにVFX映像の製作技術というのはそれこそ「Cinefex日本版」などの映画撮影の専門誌に最新の撮影技術が記載されているし、それらは大型書店に行けばいくらでも入手出来るんですが、私が思っている「邦画の七不思議」というのがあって、なんでこの市場に流通している膨大な書籍やネットから入手できる技術を応用しないんだろうと。韓国やタイ、中国の特撮技術は格段に上がっているのは、シンプルにハリウッドの技法を徹底的に応用し、独自の技術に向上し続けています。今回の映画を撮る時にスタッフ皆に「パチンコの仕事も落ちているし、皆が元々やりたいのは映画だろ?今来ているパチンコの仕事は皆断って、映画に集中しよう」と言って今までの邦画の前例を断ち切って、質の向上も併せた新しい映画の制作体制を発明しよう!と社内にぶち撒けたんです。昨今はPCで劇場映画レベルの編集もできるし、カメラも『スター・ウォーズ エピソードⅠ』製作時頃の撮影解像度カメラならヨドバシカメラでも買える時代なんだから、我々独自で海外に売れる新しい日本映画を作ろうと。今回『ブレイブストーム』の完成から劇場公開の準備を終え、実は、二ヶ月前にクランクアップした次の短編作品も完成間近なんですが、『ブレイブストーム』以上に「新しい映画の制作体制ってこうじゃないのか?」という提唱も兼ねた映画製作の試しでした。今はスマホで映画のスケジュール管理ができますし、撮った映像はそのまま送付して編集という人手をシステムで簡略化したスタイルから制作費も抑えられました。「ショットガン」という映像製作管理システムも日本ではCG会社以外では余り使われていませんが、そういったシステムを実写映画の製作管理の基本システムとして使用したり、多分、延々に試作は続くのだと思います。



—造形も昔ながらの特撮魂が感じられる出来になっていますね。

岡部:特殊造形の仕事で初めてギャラを頂いた現場が19歳の時で、もう33年間やってますからね、勝手にそうなっちゃう感じです。クリーチャー表現がCGばかりの昨今ですので、古典的な特殊造形撮影が新鮮に映って感じられてるようで嬉しい限りです。


—今回制作した造形物はどれだけあるのでしょうか?

岡部:レッドバロンのコックピットはセットで作りましたが、シルバーの特殊スーツと武器類、キルギス星人とチグリス星人と奴隷人間の頭の脳みそはブラスト社内造型部ZEPPETが制作した造形物です。



—音楽も素晴らしかったです。マイク・バータさんという『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で携わった方がやられていましたね。

岡部:彼とは私の自主映画『D』の頃からの付き合いなんですが、彼とは気が合うというか、好みやセンスが近いようで、サウンドが上がってきても大体は一発OKな関係です。ブレイブストームでは、とにかくド迫力!この指示だけでした。


—脚本協力に映画監督の北村龍平さんが携わられていますが、どういう経緯で参加されたのでしょうか。

岡部:彼とは当時、3日に1回位の頻度でSkype電話をしていて、まあ趣味話なのですが、雑談の中で、時間が空いたと聞いた時に、ちょっと手伝って!と脚本協力してもらいました。


—北村龍平さんからはどの様なアイディアが出たのでしょうか?

岡部:本編の話になりますが、シルバー仮面が兄妹の居場所に駆け込むまで「あと何秒で到着する」と伝えるシーンと地下格闘技場のシーンですね。北村さんは書面よりも言葉で喋るほうが絶妙なので、その北村テンションを私が拾い上げるという流れでした。



—今作は岡部監督の中ではストーリーと画、どちらが先行していたのでしょうか?

岡部:まず自分が観たい画を先にある程度頭の中で描いていって、それを順番に並べていったという感じでしたね。


—『レッドバロン』『シルバー仮面』を再び映像化するというには岡部監督ならではの思い入れがあると思うのですが、この2作品は岡部監督にとってどの様な作品なのでしょうか?

岡部:実写の巨大ロボット物は当時からたくさんありましたが、人間がロボットに搭乗して操作って、あんまり無かったんですよ。その中でも『レッドバロン』はマジンガーZよりも先に放送された搭乗して操縦するロボット番組だったので衝撃を受けました。『シルバー仮面』に関しては実相寺さんも以前インタビューで「子供ではなく中高生に向けて制作している」とお話されたほど、ロードムービーでかつ暗い話で、ほぼ子供向けの内容じゃなかった。私にはそれが良かったですね。今作においては『レッドバロン』と『シルバー仮面』が6:4くらいの比率でストーリーをまとめています。



—今後、宣弘社の作品の映画化や続編とかは考えていらっしゃるんですか?

岡部:いや全く考えてないですね。来月から別作品の撮影を開始するのですが、そちらではTVシリーズを低予算でもハイクオリティで作れるのではないかという制作体制を提唱していけたらなと思っていて、おもちゃも用意しています。


—既存の作品で自分の手で映像化してみたいという作品は有りますか?

岡部:そうですね…『仮面ライダー』と『エイトマン』かなぁ。『仮面ライダー』に関してはストーリーも考えているんです。サイクロン号を『ロボコップ』のED-209みたいに変形さたり、血まみれになるライダーで、内容はショッカーに世界が征服されて20年経った世界で2号やV3等のライダー達がいない世界で本郷猛が生き残っている。バットマンの『ダークナイト』みたいにショッカーが世界のモラルになって、「ショッカーが悪い!」と1人でショッカーを倒したらライダーの方が世間から変な目で見られるみたいな作品なんですがね。当時、バンダイとバンダイビジュアル迄は「凄いやろう!」だったんですが、、東映さんでアウトでした。『エイトマン』は昔、若狭さんのやった『8マン すべての寂しい夜のために』のスーツデザイン迄、カトキハジメさんと作った時があったんですよ。その時は8の字が交差スライドして開閉し超小型原子炉が飛び出すという設定デザインとか、色々考えたんですけどね、、結果お蔵入りでした。


—最近も特殊造形でシロクマ(Animals As Artシリーズ)を作ってらっしゃいますが、まだまだ制作意欲が強いんですね。

岡部:私はハイエンドな造形物が作るのが好きなので、今度はパンダを作る予定です。シロクマも約1400万円しますがこれまで6体売れて、WWFジャパンにも売上の一部を寄付しています。



—今作で、ここを見せ場にしたいと思って制作したところはどこですか?

岡部:本編に触れるところなのであまり喋れないんだけど、レッドバロンがビル群の中で戦うところは当然見せ場になりますが、シルバーの見せ場をどうしようかという部分で悩みましたね。そこで、シルバー仮面はオリジナルは銃を持ってないから、彼にギミックを追加するという意味で銃を検討しました。そして「よし、3Dプリンターで銃を作ろう」と銃を作って、そこからスーツを制作していきました。ヘルメットも社内造形部が粘土で造形を作ってから3Dスキャンをして、社内CG部のパソコン上で調整して細かいパーツを作っていきました。因みに、使用した3Dプリンターは『アイアンマン』のスーツを作った3Dプリンターでもある、アメリカのスタン・ウィンストンの「レガシー・エフェクツ」が使っているものの同機種を5000万出して導入しました。ローンやリースじゃないですよ(笑)シルバーのスーツはとにかくシルエットを絞っていくように意識しましたね。ああいうのを通常の特殊衣装の要領で作るとモコっと膨らんじゃうんで、不安になるくらいタイトにできるよう造形部で検討を重ねました。最新技術を使用して作られたシルバーの造形、アクション共に、見せ場として楽しんでいただけたらと思います。


—最後に「ブレイブストーム」を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。

岡部:大作特撮映画と違い、本作は完全なるインディペンデント特撮映画です。ですが、近頃多い、借りてきた特撮キャラやアニメヒーローのリメイクとは違う迫力と熱のある特撮ヒーロー映画にはギリギリ成り得ているかな?と思います(笑)。是非とも御鑑賞お願い致します!



【ストーリー】
2050年、地球人類は滅亡していた。極わずかに残された人類の中、春日5人兄弟(大東駿介、山本千尋、タモト清嵐、壇蜜、春日光一)は 過去に時間移動し、侵略者 キルギス星人 を 地球侵略開始前に抹殺することを計画。奪取したキルギス星人の巨大ロボット設計データ。そして、宇宙人探知グラス、サイキック能力、強化スーツ‟シルバー“3つの力を手に、2015年の過去へ移動する。過去へ到着した兄弟達は、ロボット工学者 紅健一郎(吉沢悠)へ接触し、巨大ロボット“レッドバロン”の製造を懇願する。紅健一郎はロボット製作を同意するが、一つの条件があった。健一郎の弟 血気盛んなボクサー 紅 健(渡部秀)は、望むこと無く レッドバロン操縦者 として地球存亡のカギを握る壮絶な戦いに巻き込まれてゆく。エイリアン VS 強化人間、巨大ロボット VS 巨大ロボット。東京を舞台に、壮絶なバトルが開始される!

【出演】
大東駿介 渡部秀
山本千尋 タモト清嵐 春日光一 壇蜜 松崎悠希 藤田富
泉谷しげる 寺脇康文 吉沢悠

【スタッフ】
プロデューサー・脚本・編集・監督:岡部淳也
エグゼクティブ・プロデューサー:村田修一
原作:宣弘社
脚本協力:北村龍平
クリーチャーデザイン:竹谷隆之
メカデザイン:Skan Srisuwan
サウンド:Mike Verta
CG/VFX:ブラスト CG/VFX部
特殊造形:ブラスト 美術造形部 ZEPPET
製作:株式会社ブラスト
配給:株式会社プレシディオ
(C)albatross japan

2017年11月10日(金)より、TOHO上野他にて全国ロードショー

公式HP:http://www.bravestorm.jp/index.html

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