第48回NY映画祭レポート – PART1

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第48回ニューヨーク映画祭 
『ソーシャル・ネットワーク』からスタート!





2010年9月24日、デヴィッド・フィンチャー監督の新作『ソーシャル・ネットワーク』で幕を開けた第48回ニューヨーク映画祭。毎年ある1人の映画監督に焦点を当て、特集を組む本映画。今回は『心中天網島』『乾いた花』で知られる日本のヌーベルバーグ映画監督篠田正浩が選ばれ、篠田監督はニューヨークを訪れた。
本映画祭はコンペティション部門を設けず、世界各国で既に高い評価を得ている作品が一挙に集う豪華な映画の祭典。よって基本的にどれを観ても見応えのある映画で、今年はジャン=リュック・ゴダール、マイク・リー、アッバス・キアロスタミといった巨匠達の作品をはじめとするメイン28作品が映画祭の核となるメインスレートに集った。そのうちのいくつかをここで紹介したい。
まず上映時間だけで観るのを躊躇ってしまいそうな『カルロス』。『イルマ・ヴェップ』『クリーン』『夏時間の庭』等で多大な評価を得たフランス人映画監督オリヴィエ・アサヤスの新作の上映時間はなんと5時間!3部構成になっている本作は、国際テロリスト、カルロス・ザ・ジャッカル(本名:イリイッチ・ラミレス・サンチェス)の半生を描く。日本映画『愛のむきだし』は4時間ながらも終わった後に爽快感があったが、『カルロス』は最後まで飽きさせないながらも、さすがにぐったり。でも一生に一度は経験しておきたい。
『詩』
孫と2人暮らしの老女が詩を習い、そして孫の犯罪を知る事から葛藤を余儀なくされるという物語の中で詩の本質を問う。

『オアシス』『シークレット・サンシャイン』で注目を集めた韓国の映画監督イ・チャンドンは映画業界の危機を感じているからこそ映画でしか表現出来ない事に挑戦し続けている勇敢な映画監督。カンヌ映画祭で脚本賞を受賞した新作『詩』はそんな彼の極意を知る事の出来る素晴らしく美しい作品。
『四つのいのち』
まるで時間が止まったかの様な豊かな自然に囲まれた南イタリアの山村で繰り広げられる命の物語。

老いた牧夫から始まり、子ヤギ、木、そして木炭と姿を変えてゆく命、それはイタリアという国が舞台ながらも仏教的思想を連想させる。また、驚く事に、音楽も台詞すら無いにも関わらず、ちゃんと1つの素敵な物語になっている。監督ミケランジェロ・フランマルティーノの才能に脱帽。
『ブンミおじさん』
今年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したタイ人映画監督アピチャポン・ウィーラセタクンによる奇跡的な1作。

死期の迫ったブンミおじさんの元に死んだ妻が幽霊として、そして行方不明になっていた息子が猿人になって戻って来て、、という奇妙でちょっぴりコミカルな物語。人間、動物、霊との関係、タイの抱える問題を、詩的かつ神秘的な映像の中で描いてゆく。映画の中に登場するナマズファックは必見。
『神々と男たち』
今年のニューヨーク映画祭の中でも最も人々の心を激しく揺さぶった作品の1つ。

俳優としても活躍するグザヴィエ・ボーヴォワ監督が、1996年にアルジェリアで実際に起きた武装したイスラム原理主義グループがフランス人修道士7人を誘拐し殺害した事件を映画化。感動が観る者を支配してしまいそうなこの映画の中では実は特に音楽が使用されていないが、唯一チャイコフスキーの「白鳥の湖」がかかるクライマックスはもう息を飲んでしまう。カンヌ映画祭でグランプリ受賞も納得の忘れられない映画になること必至だ。
現地レポート:岡本太陽

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