『ジュラシック・ワールド/炎の王国』製作総指揮コリン・トレボロウ インタビュー


全世界オープニング興行収入が162億円という記録を打ち立てた「ジュラシック」シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が7月13日から日本公開がスタートする。

公開に先立ち、ジャパンプレミアに参加するため来日したコリン・トレボロウ氏にインタビューを敢行!

 

ハイブリッド恐竜インドミナス・レックスとT-レックスが死闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク<ジュラシック・ワールド>を有する島、イスラ・ヌブラル島では<火山の大噴火>の予兆がとらえられていた。迫り来る危機的状況の中、人類は恐竜たちの生死を自然に委ねるか、自らの命を懸け救い出すかの究極の選択を迫られていた――。そんな中、恐竜行動学のエキスパート、オーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)と共に、恐竜を救い出すべく行動を起こす事を決意、島に向かったその矢先、火山は大噴火を起こし、生き残りをかけた究極のアドベンチャーが幕を開ける!

 

 

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―――映画完成おめでとうございます!まずは前作がとてつもない大ヒットを記録したことについて感想を聞かせ下さい。

 

コリン:ありがとう。率直に嬉しいのと世界中の人がまだまだこの作品の行く末を見たいのだなと思い、自信が持てたのと同時に大きな責任も感じました。そのため従来の島の中で大きく凶暴な恐竜から人間たちが逃げ惑うという型にとらわれるのではなく、シリーズを更に新しい新境地に持っていき、別の可能性を探って変化をもたらすべきだと思いました。

 

―――今作は相当プレッシャーがあったんじゃ無いですか?

 

コリン:プレッシャーは常に自分に科すもので有ると思います。この作品を作るにあたっては作品から自分を一歩引いて「自分なら一体どういう物語が見たいのか」ということを真剣に考えて作品に臨みました。今回スピルバーグが作品に反映したいと思ったのが、「恐竜を兵器として使用して軍用として扱われる」。恐竜を“動物”として捉えて、薬の投薬実験をはじめにどのようにして人間は動物と共存できるのか。ということを表現してみたかったのです。またJ・A・バヨナにも彼なりのビジョンがあったので、彼の中にあるビジョンも交えながらみんなで協力して作成していきました。

 

―――ちなみにバヨナ監督を抜擢したはコリンさんですか?

 

コリン:今回フランク(・マーシャル)とスティーブン(・スピルバーグ)にバヨナを推薦したのは私です。スピルバーグも彼の作品のファンだったので、すんなりと受け入れられました。今作の脚本を書く上で私が重要視したのは彼が得意とする映像作りに寄り添っうことでした。家族というテーマやそれらが直面する危機、自然災害、そして子供の目線から、凶暴で大きな怪獣に出会ったときの展開、そうしたことは彼が得意としてきたことであったので脚本に反映しました。

 

 

―――バヨナ監督のフィルモグラフィーを振り返ると、今作はテーマ的にも彼の集大成とも言えますね。

 

コリン:実際彼の作品のファンで私も彼の作品を全部見て研究したので、彼が仕事をしやすく、ポテンシャルを最大限発揮できる環境を整えて上げるのが私達の仕事でした。

 

―――今作のインドラプトルは、音もなく忍び寄る感じがさながらホラー映画の殺人鬼のようでした。初代『ジュラシック・パーク』終盤のラプトル戦を彷彿とさせますね。

 

コリン:インドラプトルは純粋な恐竜というより、狂気的な遺伝子工学によって作り変えられたモンスターですよね。遺伝子工学を間違った方向で使った事により、生み出された産物です。最初の純粋な恐竜たちが怖かったのは「野生動物で何をするのかわからない」という部分にあったと思います。今作は知性を備えたことで違う方向性の怖さが生まれ、科学が産み出した最悪の産物が凄惨な結果をもたらしたという形で作品をつくっています。

 

 

―――ヴェロキラプトルのブルーの人気が世界的にすごいですね。これは想定の範囲内でした?シリーズ屈指の殺し屋があんなに愛らしく見えるとは驚きでした。

 

コリン:僕たちも思い入れのあるキャラクターなので、何か役割は与えていきたいと思っています。彼女のここまでの出世は確信こそなかったけど、なってくれたら良いなとは思っていました。というのも、前作でオーウェンと感情的に「人間と恐竜との常識を超えた」つながりを持つということは考えられなかったと思います。それに対して同情する人もいれば拒絶する人もいるかと思います。僕らは制作の立場として感情を押し付けることは出来ませんが、提供する側としては、受け入れてくれれば嬉しいなと思いますね。

 

 

―――先ほどのインドラプトルように、狂気的な研究が行われる一方で、作品に道徳的な側面をもたらしているのが、ジェフ・ゴールドブラムが演じた“マルコム博士”だと思います。彼は前作からすごく出演を希望していて、そこからジェフを起用するという事になったのでしょうか?

 

コリン:ありがたいことに「ジュラシック・パーク」シリーズに出演された役者の方は、皆さん新シリーズにも出たいと言ってくださっています。ただ、彼らの為に起用するのではなく、物語に必然性が有って自然の流れで出すというのがすごく重要ではないかなと思います。その中で旧作から続投しているヘンリー・ウーが今作にも登場するのは、遺伝子科学というテーマにおいて彼が居るからこそ、ここまで話が膨らむわけです。そしてマルコム博士ですが、彼は90年台に警鐘を鳴らして今の状況に至って「ほら言わんこっちゃない」というわけではないけれど、これがどんなに悪い結果になったのかということを彼の口を通す以外他に説得力は無いと思いました。ここから3作目に行くことでまたさらに、その形を広げていくことになると思います。

 

―――今お話にあったウー博士ですけど、初代では中々好青年に見えましたけど、なぜあのようなマッド・サイエンティストになったのでしょうか?

 

コリン:そうですか?彼は元々考え方が正常じゃなかった気がしますよ(笑)ただ完全な悪役では無いですが、元々の原作で彼は能力があってもなかなか周りに感謝されず、不満を抱きつつ研究にのめり込んでいくという兆しは何となくあるんです。多くのこうした科学にまつわる悲劇というのは、良かれと思ってやってきたことが最悪の結果をもたらすということが有ると思います。『フランケンシュタイン』も研究に夢中になりすぎて、最終的に周りが見えなくなってしまいます。今後も彼は登場する予定なので、彼が今後どの様に変化していくのか楽しみに待っていてほしいです。彼としては人のためになると思ってやっているんですが、なにか悪いトラブルに巻き込まれてこういう結果になっているのでなんとも言えないですよね。

 

―――次回作でコリンさんは再び監督を務めることが決まっていますが、既にざっくりとした構想は決まっているんでしょうか?

 

コリン:話せることは限られていますが、「家族」という事に着目していきたいと思っています。オーウェンとクレアは若くて正反対の性格を持っていますが、大きな責任は共有しています。次作では、その責任を果たすための役割を模索して行くと思うので、そういった部分を描いていければと思います。

 

コリン・トレボロウ(脚本/製作総指揮)
大ヒット映画『ジュラシック・ワールド』(15)で監督と脚本を担当。同作は夏公開作品として歴代興行収入1位を飾り、ジュラシック・ブランドとして見事な復活を遂げた。監督としての近作に、ナオミ・ワッツ主演『The Book of Henry(原題)』(17)。2012年公開の『彼女はパートタイムトラベラー』(未)はサンダンス映画祭でウォルド・ソルト脚本賞を獲得、グランプリにもノミネートされた。アンブリン・エンターテインメントの待機作『Intelligent Life(原題)』で製作と脚本を務める予定。また、2021 年全米公開予定の『ジュラシック・ワールド』第3 作では再び監督と脚本を担当する。

 

 

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
7月13日(金)全国超拡大ロードショー!
配給:東宝東和
(C)Universal Pictures
公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/

Photo:Kazuhiko Okuno

 

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