『ぼくのエリ 200歳の少女』ハリウッドリメイク版『レット・ミー・イン(仮)』現地レポート

 



世界中で絶賛されたスウェーデン人作家ヨン・アイヴィデ・リンドクビストの原作を映画化した『ぼくのエリ 200歳の少女』。今年の夏日本でも公開されたこの映画のハリウッドリメイク『レット・ミー・イン(仮)』が早くも10月1日に全米で公開した。それに先駆けてニューヨークでプレミア上映が行われ、そこで『クローバーフィールド』で一躍注目を浴びたマット・リーヴス監督、『キック・アス』で鮮烈な印象を残した主演のクロエ・モレッツ、名脇役のカナダ人俳優イライアス・コティーズがティーチ・インを行った。




スウェーデン・ストックホルム郊外に住む12歳の孤独な主人公オスカーと12歳の少女の体に閉じ込められたヴァンパイア・エリとの淡く切ない恋物語を詩的に表した『ぼくのエリ』。『レット・ミー・イン(仮)』では、12歳の主人公オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)とヴァンパイアの女の子アビー(クロエ・モレッツ)の友情、恋、そして葛藤を1983年、レーガン大統領政権下のアメリカ・ニューメキシコ州を舞台に描く。



オーウェンが同級生ケニーに目の敵にされていたり、アビーが父親らしき中年男(リチャード・ジェンキンス)とオーウェンの暮らす集合住宅に越して来る時を同じくして、町で不可解な殺人事件が起き始めるといった様に、『ぼくのエリ』と内容は然程変わらない。ヨン・アイヴィデ・リンドクビストの原作のファンなら、あの勃起したヴァンパイアを観てみたいものだが、「原作ファンはもちろん、『ぼくのエリ』ファンも失望させたくなかった」と監督は言う。また、今回は主人公の成長を中心に描きたかったそうだ。



1980年代初期のアメリカで流行っていたものを所どころ観られるのも本作の特徴で、ルービックキューブ、ゲームセンターの人気ゲーム・サイボッツ(実際には80年代中期のもの)が登場、サウンドトラックにはカルチャー・クラブ、ブルー・オイスター・カルト、Freur等の曲を使用しており、懐かしい思いに耽る人も少なくないはず。そういった時代を象徴する細かい配慮はなされているもののヴァンパイアのメインストリーム風のビジュアルに『ぼくのエリ』ファンは厳しい目を向けそう。そのヴァンパイアに扮するクロエ・モレッツは撮影に関し、「みんなで冗談言い合って、ハロウィンみたいで楽しかった」とコメント。日本公開はあるのだろうか。
レポート:岡本太陽

『レット・ミー・イン(仮)』
日本公開未定
監督:マット・リーヴ
キャスト
クロエ・モレッツ、コディ・スミット=マクフィー、リチャード・ジェンキンス


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