VR ZONE SHINJUKUにシン・ゴジラ登場!『ゴジラVR』体験レポート


【取材:畑史進】

バンダイナムコアミューズメントが運営するVRアミューズメント施設「VR ZONE SHINJUKU」では11月3日の「ゴジラの日」に『ゴジラVR』の稼働がスタートする予定。この『ゴジラVR』はすでに「VR ZONE OSAKA」で稼働が始まっており、11月3日の展開を機に全国各地のVR ZONE Portalに順次設置が予定されている。

内容は東京都内で暴れているシン・ゴジラを食い止めるのが目的で、プレイヤーは自衛隊の攻撃ヘリの一員として戦うことになる。YouTubeでは既にヘリ隊員となったプレイヤーがゴジラに攻撃する模様がすでに公開されており、やきもきしているゴジラファンも多いだろう。「VR ZONE SHINJUKU」では11月3日の公開に先駆けて、本日10月26日メディアに向けて体験会を実施。シンゴジファンにはたまらない演出の連続で、刺激的な内容だった。また、体験終了後には制作に携わった田宮室長に本作制作の経緯と秘話をたっぷりと伺った

■体験レポ

VRゴーグルを装着すると、最初に広がる光景はヘリの砲撃席に座って外では多くの人々が走って逃げ惑う光景が広がっている。操作方法は左右のレバーのトリガーを引いて砲撃、上のボタンを押すとゴジラを凍結させる「血液凝固剤」が発射される。砲撃の標準はVRゴーグルのジャイロ機能を使って画面中心に表示されているサークルで狙いを定める。砲撃はゴジラの体のどの部分に当ててもいいのだが、血液凝固剤は映画と同じくゴジラの口にめがけて発射しなければならない。その上、血液凝固剤は次の装填までに時間がかかるので、狙いを外すことは許されない。千載一遇の好機を逃すこと無く打ち込むのだ。ヘリの中には操縦者が後方に座っておりゲームはレールシューティングの様に自動で移動するので特に心配はいらないのだが、常にゴジラの背後に付くため予測不能な挙動を取る独特なしっぽが周囲のビルを破壊したり、仲間のヘリをなぎ倒したりするので砲撃席に座っている身としてはヒヤヒヤしてしまう。

さて、冒頭では昼間に東京某所に出現したゴジラをなんとか撃退せんとヘリに乗り込んだプレイヤーだが、攻撃が出来ない。それもそのはず周囲にはまだ逃げ惑う都民が居るので総理から攻撃許可が降りないのだ。この辺はまるで、一自衛隊員の目線から撮影された映画を観ている様で大変面白く、『シン・ゴジラ』を鑑賞した人にとっては攻撃チャンス到来の時に踏切に人が居ることを目視したことで攻撃中止に至ったワンシーンを別の形で追体験でき、よりあの時のモヤモヤを実感することになるだろう。

都民の避難が完了したであろう夜のシーンでは、総理からの攻撃許可が降りて東京スカイツリーの周辺でゴジラと世界の命運を駆けた闘いが始まる。映画同様に最初は黒煙混じりの炎を吐いたあとにシン・ゴジラ特有のビーム状の放射熱線を吐き出し、周囲に待機していた仲間のヘリや援護に来たアメリカ空軍の機体が「総辞職ビーム」の如く次々に破壊される。それだけでなく背びれからの放射熱線でこちらに向かって攻撃するのだが、これはある意味弾幕シューティングの弾幕を回避しているようでとても緊張してしまう。腕のいい相棒のおかげで生存したプレイヤーは放射能濃度が減っている機を逃すこと無く砲撃に勤しむのだが、ゴジラにダメージが入っている様には見えない。不謹慎かもしれないが、この辺は本当にゴジラ相手に戦っているんだという緊張感がたまらなく、口元が緩んでニヤニヤしていた。

そんな矢先に無線で血液凝固剤をゴジラの口に投入するよう指示が入ったので、すぐさま口元に標準を定めるが、ゴジラも自然の本能か中々口を開かない。ようやく口を開いたかと思って血液凝固剤を発射したら、放射熱線を吐き出す寸前なので顎の割れた悪魔のような形相と口の中のひだがじっくり観察できるが、とてつもない恐怖に襲われる。ここから先の結末はその目で確かめてほしいので、近くのVR ZONEに設置された場合は是非体験してほしい。

■田宮室長独占インタビュー 

―――これの制作経緯と開発期間はどんなものだったのでしょうか?

田宮室長(以下田宮):きっかけはここのVR ZONE SHINJUKUが始まった時に、目の前に東宝さんと「この近辺を盛り上げるのになにかお互いに面白いことができればいいですね」というスタンスから「ゴジラ」でなにかやりましょうという流れでした。なので、東宝さんは割と全面協力いただける形でこのアミューズメントができ上がりました。

―――去年バンナムさんは『巨影都市』という作品でもゴジラを扱いましたけど、なにか絡みは無かったのでしょうか?

田宮:実は今回のソフトの開発はグランゼーラさんが行っているんです。去年VRという版の『絶体絶命都市』のイベントをやった時にVR面白いので九条さんとなにかやりませんかというお話を頂いていたのと、東宝さんからもゴジラなにかやりませんかという話も一緒になって「じゃあその座組で行ってみよう」という事になったんです。
なので、製作期間は1年ちょっと位ですね。

―――確かに人の造形から街の建て方までグランゼーラっぽいんでうよね。細かいところだと室外機がちゃんとTの字に並んでいて、周囲の状況に手を抜いていない感じが良かったです。

田宮:多分そのへんはグランゼーラさんの「街を一度再現する」という制作体制が活きていると思うんです。

―――塔にゴジラの放射熱線があたったらグニャって曲がる所も昭和ゴジラを活かした演出で良いですよね。

田宮:あれは一度オブジェクトを倒したバージョンをグランゼーラさんに作ってもらって、重さのある鉄塔とかの崩れ方はクシャッと潰れるようにしようと小山から提案があってそれで潰れるような形になりましたね。多分小山は初作の『ゴジラ』を観ていると思います。

―――ゴジラのモデリングは結構注文が多かったんじゃないですか?

田宮:モデルとエフェクトは東宝さんがやらせてほしいということで、映画も担当した白組さんがモデルと熱線とモーションは映画のチームにお願いしてもらっているんです。ある意味本物なんです。

―――PSVRが発売された当初『ゴジラVR』というのがリリースされたんですが、あれは映画のゴジラのCGをPSVRに落とし込んだものだったそうですが、こちらは全て一から作ったものですか?

田宮:日比谷のARのアプリとかそうなんですが、ゴジラ自体、映画のモデルをリダクション(削ぎ落とし)する形でイベント活用されたりしているんです。今回もこの体験用にこのぐらいのモデルでいけませんかと白組さんにリダクションをお願いしたのです。

―――じゃあ別の意味で考えると、シン・ゴジラはCGのモデルが何パターンも有るということですか?

田宮:どうなんでしょうね・・・ただシン・ゴジラは求められるプラットフォームによって情報量が変わってくると思うので、いくつかあるとは思います。

―――このコンテンツってヒットポイント制で展開が進んでいたりするんでしょうか?

田宮:そこは本当に難しいところで、当初はそれで開発していこうと思ったんですが、映画を何度も見返したり、東宝さんと打ち合わせしている時に感じたのが、ゴジラは絶対的な存在で人間の攻撃に対して動じないのが普通なんです。そうなるとヒットポイント制というのは適切ではないのかなというのと、最初からシューティングにするとゴジラが攻撃に対して反応しないと不満が出ると思うんです。
そこで最初は市民が居るために攻撃許可が降りない一方で、喧々諤々とした会議が無線で聞こえてくるもどかしい感じの中、ゴジラの引き起こすアクシデントにヒヤヒヤするアクティビティを作って、後半になってようやく攻撃、そしてやむを得なく血液凝固剤を投入するという流れが「ゴジラ」という作品において自然ではないのかなという結論に落ち着いたのです。

―――確かにHP制にするとゲームオーバーの展開まで作らないといけませんから、その分カロリーがかかりますね。

田宮:そうですね。なのでゴジラは絶対の物という関係値を崩したくなかったですね。

―――今回最後にどうしても尻尾の部分を注視する人は多いと思いますが、あそこで「奴ら」が出ないということは、この時点ではまだ発生しないという東宝の公式見解になるんですかね?

田宮:そういうことは一切なくて、今回のコンテンツになにか新しい解釈が発生するというのは避けました。というのもあそこは庵野監督の思っているあの見せ方以上の何かをしてはいけないと思っていて、今回はゴジラの巨大感とどうやっても勝てないんじゃないかという絶望感に注力したしました。

■「ゴジラVR」全国稼働店舗
・VR ZONE SHINJUKU (東京都)
・VR ZONE OSAKA(大阪府)
・namco イオンモール各務原店(岐阜県)
・namco イオンモールKYOTO 店(京都府)
・namco イオンモール大日店(大阪府)

プレオープンや営業時間などの詳細は、下記をご確認ください。
https://bandainamco-am.co.jp/others/vrzone-portal/

TM&(C)TOHO CO., LTD.
(C)BANDAI NAMCO Amusement Inc.

お客様お問い合わせ先:03-6891-8765 (受付時間9:30~18:00)

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