クリント・イーストウッド主演『運び屋』紹介レポート

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昨年末アメリカで公開されたクリント・イーストウッド主演・最新作の『運び屋』は現在、全世界で1億ドルの興行収入を上げている。日本では遅れて3月8日に公開が予定されており、往年のイーストウッドファンからすると待ち遠しい作品の一つだろう。

本作は2014年に起きた80代の退役軍人の男性の犯罪エピソードが元になっており、この男性、アール役をイーストウッドが熱演する。ストーリーは花の栽培業を営んでいたアールがインターネットの発展の波に乗り切れずに廃業し、遠く離れた自身の家族のもとに戻る。ところが、結婚後、ずっと家族を顧みず仕事に明け暮れていたアールは家族全員から非難の声を受け、敷居をまたぐことなく家を後にする。

そんな様子を遠くから見ていた男からアールは一枚の紙切れを渡され、お金に困ったら底に書かれている宛先に行くようにアドバイスを受け、アールは半信半疑で現地に赴く。紙切れの宛先に到着すると、いかつい男たちに出迎えられ、アールはある物を黙って運ぶように指示を受ける。その後、言われたとおりに仕事をこなしたアールが車に置かれた報奨金を見てみると、そこには莫大なお金が入っていた。この莫大なお金でアールは、家族との失われた時間と関係を取り戻すことになる。



【レビュー】

■畑史進(a.k.aちゃむうぇい☆茶稲)
この作品は冒頭で時代の流れを軽視した老人が、結果として家族をないがしろにしてまで築き上げた自分のキャリアを時代という怪物に食いつぶされるという、いつ自分の身に起こるかわからない危険性をはらんだテーマから始まっている。これは、アメリカの話であっても、超高齢化社会を迎えた日本でも同じ様に当てはまる事で、これをイーストウッドというかつての銀幕スターが身をもって演じていることに大きな意義がある。またイーストウッド自身も、自分の奥さんと子供をないがしろにしてきた過去も知っていると、この映画はイーストウッドの懺悔録としても映る。そのため、自身の最後となるであろう映画に、家族愛を訴える作品に出演するというのも感慨深いものだ。この映画からは、老若男女問わず、自身の人生をより良いものにするための問いと答えが多分に含まれているため、是非観てほしい。

■ジャンクハンター吉田
海外ではクリント・イーストウッド最後の主演作になるだろうと言われている『運び屋』。本作の撮影時は87歳だったというから驚きの元気ハツラツお爺ちゃんである。インターネット通販の波に飲まれて店舗販売しかしていなかった昔ながらの花売り手法が時代に取り残されてしまい商売に失敗するところから物語がスタートするのだが、この一連の流れが現代社会におけるリアル店舗の需要が少なくなってドンドンと店が倒産していくサマを皮肉タップリに表現しているようで、イーストウッドからの「何事にもコミュニケーションが重要」的なメッセージにも感じる。己のために退役後は仕事だけに夢中となり、家族を放ったらかしにした90歳の主人公は妻や娘から三行半を突きつけられ離婚している設定なのだ。さらにブラッドリー・クーパー演ずる麻薬捜査官とイーストウッドがカフェで会話するシーンがあるのだが、ここではブラッドリーがコミュニケーションを取れていないことで妻? ガールフレンド? と上手く関係値が保てていないことを吐露する。つまり、本作は麻薬の運び屋のロードムービーという皮を被ってはいるが、根底に潜んでいるテーマは「人生に必要なのはコミュニケーション」なんだと知らされる。麻薬を運ぶだけのワンテーマを長編作に仕上げたことだけがクローズアップされがちだが、実はそれは表面上だけの解釈であり、「仕事だけに打ち込むことは家族の崩壊へ導く危険性をはらんでいる」とのカウンターパンチを観終えた観客へぶつけてくれる驚きの後半に脚本の秀逸さが光る。




『運び屋』
3月8日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
公式サイト:http://hakobiyamovie.jp



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