人気シリーズ最新作『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』インプレッションレポ


【記事:畑史進】

スクウェア・エニックスより、3月20日(木)に発売された『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』は、2007年にWiiとDSに向けて発売された『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』(DS版は別名)をベースに新システムと新ダンジョンを追加し、好評だったジョブシステムに新しいジョブを加えたアップグレード版となっている。

『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ(以下、『チョコボ』)としては12年ぶりのリリースで、1000回遊べるダンジョンRPGをチョコボで操作したい人にとっては、リメイクという形ではあるものの、待望の新作と言ってもいいだろう。今回はこの作品を触った感想と、新システム「バディプレイ」に関してのインプレッションレポをお伝えしよう。

ゲームを開始するとプレイヤーは、トレジャーハンターのシドと共にダンジョン内の基本的な操作とルールの説明を一通り受けてからストーリーに入る。ストーリーは、シドがチョコボと共に「時忘れの街」という、忘れることが幸せだという不思議な街に到着することから始まり、チョコボはこの街に住む人々の記憶の中から作られたダンジョンに潜り込んで、時忘れの街の秘密に迫っていくという内容だ。一見するとPS1時代の過去作品と関わりがないように思ってしまうかもしれないが、れっきとした後続作品で、モーグリのアトラや「2」のシロマも登場するので、かつてプレイしてずいぶんご無沙汰な人も手にとってほしい。

ゲームシステムは『風来のシレン』や『トルネコの大冒険』のような『不思議のダンジョンシリーズ』とほとんど変わりなく、プレイヤーはダンジョン内にあるアイテムや装備を使って強敵に挑むこととなる。ただ、『風来のシレン』や『トルネコの大冒険』のような『不思議のダンジョンシリーズ』を経験している人たちからすると、本作の難易度は比較的低めに作られていると感じるかもしれない。ゲームを開始する際には難易度も選択でき、ダンジョン内で倒れた場合、装備しているもの以外のアイテムを失う「ノーマル」と、従来の『不思議のダンジョン』シリーズ作品に準じて全てのアイテムを失ってしまう「ハード」の2つが選択できる。腕に自身のある経験者は迷うこと無く「ハード」を選ぶのが良いだろう。もちろん僕も「ハード」を選択した。

チョコボは武器の「ツメ」と防具の「クラ」、様々な効果をもつ「首輪」を装備して自身のステータスを上げて、強敵に挑む。ツメやクラにもそれぞれ属性や特殊効果を持つものがあり、特殊な効果を持ったツメを別種類のツメに「合成」すると「印」という形で能力を引き継がせる事ができる。ダンジョンは入るたびに違う構成となっているため、プレイヤーごとに取得するアイテムも異なる。そのため、その時々の手持ちの状況に合わせて装備の作成を考える楽しみがあり、こうしたプレイヤー各人の体験しかできないゲームが『不思議のダンジョン』シリーズの醍醐味で、長年多くのプレイヤーに支持されてきた。『チョコボ』が、他の『不思議のダンジョン』シリーズと違う点としてユニークなのが、魔石というアイテムの存在だろう。これを使うと『ファイナルファンタジー』でお馴染みの召喚獣が強力な技を繰り出して、チョコボを助けてくれる。この際のエフェクトは元作品同様に見応えがある演出になっているので、ピンチになった時に使う以外にも、緊張の続く気持ちの切り替えとして、いいアクセントを与えてくれている。加えて、今作はリアルタイム演出となっているため、ゲームの進行を途切れさせること無く快適に楽しめるようになっている。

加えて『ファイナルファンタジー』お馴染みの「ジョブシステム」や「アビリティ」も存在する。ジョブには竜騎士やナイト、黒魔道士、白魔道士など様々な物があり、いずれか選択すると、攻撃力が上がったり、魔力が上がったり、防御力が上がったりとそのジョブに応じたメリットを享受する事ができる。当然のことだが、何かしらの能力が上がっているのと同時にデメリットも発生している。例えばナイトを選択すると、防御力とHPは大きく上昇するが、魔法防御力と魔力が下がってしまう。そしてアビリティとは、『ファイナルファンタジー』シリーズに存在する技や魔法の事で、選択したジョブに応じて使えるものが異なっている。アビリティには火や氷、雷の様な属性が付与されていたりすることもあり、これらの属性には有利不利の関係性がある。そのためプレイヤーは、挑むダンジョンに出現するモンスターの傾向に合わせてジョブを選択することになる。

さて、いよいよ今作の目玉の追加要素「バディ」について紹介しよう。これは、ダンジョン探索前にお供として連れて行く仲間を一人選んで一緒に冒険をするというものだ。バディはシドをはじめとした主要キャラをはじめ、ダンジョン内の敵モンスターも選択できる。敵モンスターがどのように仲間になるのかというと、敵を倒した後にランダムでオレンジ色の「バディポイント」というアイテムを落とすので、これを一定数拾い集めると敵モンスターをバディとして選択できるようになる。バディとして選択できるようになった後も引き続きバディポイント集めていくと、一定数集めるごとに同系統のバディモンスターが開放されていく。1人プレイの場合だと、選択した仲間はオートで行動することになるが、2人プレイだと、2プレイヤーがこのバディを操作することとなる。1点注意しなければならないのは、2人プレイ時だと、バディはターンの中で最初に攻撃できるため、1Pプレイヤーはバディを先に攻撃させるという意識を持ってプレイしなければならない。

ただ少し不満だったのが、バディシステムの紹介が少し雑だったという点だ。バディシステムがいつ選択できるようになるのかと言うと、モンスターをバディにすることができたタイミングではなく、その次からのダンジョンに入る前しかバディを選択することができない。僕の場合は、シドがバディとして参加する前にゴブリンをバディにすることができ、その後すぐにバディシステムのチュートリアルメッセージが出てきたので、メニューからバディを選択できるようになったのかと思ってバディを出現させようと、何度もチュートリアルメッセージを見ながら出現の方法を模索したものだった。確かにダンジョン攻略途中からバディが選択できるようだと、ダンジョンの傾向に合わせて変更が効くと難易度が下がってしまうためあまり好ましくないのは分かるが、新システムなんだから、バディシステムのはじめ方の説明を丁寧にやってほしいと思った。

全体的にはバディモンスターの強化、収集もあるため、かなり遊び込めるような作りになっていて、1000回遊べるダンジョンとの親和性はより高くなったように感じた。ただ、基本が『時忘れの迷宮』なので、これを機にそろそろ完全新作の『チョコボの不思議なダンジョン』を作って欲しいと、いちファンとして切に願う作品だった。

『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』
発売日:3月20日(発売中)
機種:プレイステーション 4/Nintendo Switch
価格:4,800円(税別)
CEROレーティング:A(全年齢対象)
プレイ人数:1~2人
メーカー:スクウェア・エニックス
(c)2007, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: Toshiyuki Itahana
公式サイト:https://www.jp.square-enix.com/chocobo/

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