小宮山雄飛の東京DVDライフ 第17回 『池中玄太80キロ』
文章/小宮山雄飛
画/黒木裕貴
釣りバカ日誌?
探偵ナイトスクープ?
いや,僕らの世代にとっては、西田敏行といえばなんといっても「池中玄太」ですよ!
ということで,今回紹介するのは西田敏行主演の80年代大人気ドラマシリーズ
『池中玄太80キロ』
番組の詳しい情報はwikiペディアに任せるとして、久しぶりにオープニングを観た感想は
「あれ?? こんなにチープだったっけ??」
「あれ?? こんな曲だったっけ??」
「なに?? こんなんだった・・?」
とにかく全てが思ったよりもチープ。
オープニングの空撮映像なんかも、カメラブレまくり。現在の空撮技術・CG技術に慣れてる目で見ると、素人が撮ったドラマのようです。
さらに、細かいセリフ回しや、カメラ切り換えなんかも、もうすごく作りが荒くて、スピード感に欠けるんですよ。
僕らは今テレビで放映されてるドラマを、ごくごく普通に観てますが、こうやって20年前のドラマと見比べてみると、いかにカメラや機材、台本や編集にいたるまでの技術が洗練されたか分かります。
ぶっちゃけこの第1話をDVDで観た時は、懐かしいとかそういう感情よりも「大丈夫か、このドラマ??」と不安になる感じでした。
そしてこれは僕の思い入れによる錯覚なのですが、池中玄太と言えば主題歌はあの名曲「もしもピアノが弾けたなら」だとばかり思っていたら、あれは第2シリーズの主題歌だったんですね! 同じく名曲「鳥の歌」も第2シリーズの挿入歌。
ということで、なんかその時点で第1シリーズは正直イマイチ盛り上がらない。
その中で孤軍奮闘しているのが、やはり西田敏行!
とにかくこの人の存在感と圧倒的な演技力が、それだけ観てても楽しいんですよ。
いかにカメラがブレようが、子役がセリフを噛もうが、西田敏行の演技だけでグワーっと池中玄太ワールドに引き込まれる。
西田さん、あんたは偉い!
この西田敏行一人勝ち状態、どこかでも同じことがあったなと思ったら、ハリウッド映画『ラーメンガール』
ぶっちゃけ映画としては100点満点中8点くらいしかあげられないようなさんさんたるシロモノだったんですが・・・、その中で西田敏行だけがいつも通り最高の演技で孤軍奮闘してた!
やっぱりどんな状況のどんな役になっても、あの人だけは裏切らない!
とまあここまで西田敏行一人を褒めますと、それ以外の人が全く駄目と言ってるようですが、そういう訳ではありません。
三浦洋一の独特の演技は相変わらず味があるし、藤谷美和子は今見ても最高に可愛い、坂口良子も気の強い記者役を見事に演じてます。
しかし、とにかく全体的なリズム感がまだまだ古いドラマって感じで、今見るとどうしてもドラマの世界観に入り込めない中、西田敏行だけはほんとに力技の演技で引き込んでくれる。
時代的な感覚のズレでいうと、例えば杉田かおるが親に内緒で生活費を稼ぐためにバイトをするという回。
ものすごく健全なハンバーガーショップでバイトするのですが、玄太は店に来て「こんな売春みたいなことしやがって!」と激怒します。この辺りが現代の我々から見ると、どうにも感情移入できないっしょ(笑)、ハンバーガーショップでのバイトが売春って・・・。しかもそのハンバーガーショップが、いかにもスタジオにセットで作りました・・・って感じなんですよ。ドリフのコントみたいな感じで。そういうとこで「おいおい、これちゃちくないか・・・」と素の感覚に引き戻されちゃうんですが、そこでまた西田敏行の演技が強引にドラマの中に引き込んでくれる。そういうところでの西田敏行の一人勝ちドラマですね。
まあ映画と違いドラマっていうのは、その時代の人がリアルタイムでTVで見ることだけを前提に作られてるので、時代的な感覚の違いはしょうがないっちゃしょうがないんですけどね。
ちなみにこのドラマ、過去に海外の日本人向けチャンネルでも放送されていたのですが、その時のタイトルが
「IKENAKA GENTA 80kg」
いや、確かに合ってるんですけどね、キログラムって書かれると、なんか微妙ですよね・・・・(笑)
小宮山雄飛(ホフディラン)
ミュージシャン
1973年8月14日生まれ
1996 年「スマイル」でホフディランのVo&Keyとしてデビュー。「遠距離恋愛は続く」「恋はいつも幻のように」「欲望」「極楽はどこだ」など、ヒッ ト曲を多発し、FUJI ROCK FESTIVALへの参加、日本武道館でのワンマンライブを成功させるなど、ライブでも活躍。日本のポップシーンにおいて根強い人気を誇る。デビュー以 来、シングル19枚、アルバム9枚(ベスト盤含む)をリリースしている。
絶賛発売中のニューアルバム『ブランニューピース』(DVD付き初回限定盤)に収録されている『恋人たち』『ニューピース』のPVでは、自ら監督を 務めるなど、多才な一面を持つ。2009年7月3日には、渋谷C.C.Lemonホールにて、デビュー13周年記念ライブを行い大成功!その模様を収録し たライブDVD『13年の金曜日』においても監督を務め、11月4日にライブCDとともに同時リリース、絶賛発売中!
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZOへの出演も決定!
2010年7月3日(土)
ホフディラン ワンマンライブ
『14年の土曜日』
会場:SHIBUYA-AX
open 18:00 / start 19:00
チケット料金:3980円(ドリンク無し!)
ワタナベイビープロデュースDVD第3弾発売&自ら手売り
ゲスト:ゆってぃ / and more…
問い合わせ:HOT STUFF 03-5720-9999
5/9からの一般発売に先駆けて、HP先行予約を受け付けます!
受付期間 4月19日(月) 12:00 ~ 5月5日(水) 18:00
※専用URL http://eplus.jp/hoff-hp2/
・ホフディラン HP http://hoff.jp/
・軟式ブログ http://blog.excite.co.jp/yuhi-blog/
・こむぞう http://comzo.cocolog-nifty.com/
・シコウヒンTV http://www.andsmile.tv/
・SHOOT UP http://www.shootup.net/
黒木裕貴(クロキユタカ)
東京生まれのイラストレーター。
CDジャケットや書籍・雑誌、アパレル等で幅広く活躍中。
また、影絵やコマ撮り作品をつくる映像作家としての顔も持つ。
official website http://www.kurokiyutaka.com/
文章および画像の二次利用を固く禁じます
コメント