『プレデターズ』ロバート・ロドリゲス、オンラインインタビュー

いよいよ公開が7月10日に迫る映画『プレデターズ』。4/1にUstream上で行われた、ロバート・ロドリゲスのオンラインインタビューの模様を一挙全編公開!


 もの凄い長文、かつ、日本でのオフィシャル画像情報が少ないので、テキストのみとなってますが、ファンの血をたぎらせる情報の片鱗がチラホラとちりばめられてますので、ご理解のほどお願いします!
ちなみに会見の時、ロバート・ロドリゲスはダニー・トレホの「マチェーテ」のTシャツを着てました。イカすぜ、ロドリゲス!

               『プレデターズ』ロバート・ロドリゲス、オンラインインタビュー


翻訳:井上 緑(TOKYO MEDIA INTERNATIONAL)


MC (以下M) :こんばんは、テキサスオースティンのトラブルメーカースタジオよりロバート・ロドリゲス監督をお迎えして新作『プレデターズ』について色々お話を伺おうと思います。
これからインターネットより寄せられた質問にロバートが答えていきます。こんにちは。



ロドリゲス監督(以下R):こんにちは。


M: 台湾から、Facebookより寄せられた質問からはじめましょう。なぜこの企画に関わられたのですか。


R: 1995年、FOXからにプレデター映画のために脚本を書いてくれと頼まれました。監督としてではなく、単に自由に好きなように書いてもいいということで、時間もたまたまありましたし、引き受けることにしました。 元々『プレデター』の大ファンですし、そのときは脚本を書くだけで監督はするわけではなかったので、思いっきりぶっ飛んだ内容にしようと決めました。
まず、大量のプレデターたちが別の惑星でがやがや動き回っている様子を書き、それを“プレデターズ”と呼ぶことにしました。予算はどのくらいになるかなんて考えもしませんでした。単純に面白いなと思ったことをそのまま書いたんです。書き終わって提出しましたが、結局その企画はどこかに行ってしまいました。私も自分の作品を監督していたこともあり、その企画自体忘れちゃってたんです。(笑)
その後スタジオ側は『エイリアンv.s.プレデター』を製作したりして、昨年までなんの音沙汰もなかったのが、FOXが突然またその企画を私のところに持ってきたんですよ。
私のスタジオで監督もしくはプロデュースといった形で関わらないか、と聞かれました。 プレデターシリーズに新たな風を吹き込みたかったようです。 そこで私が当時書いた脚本をベースに製作を進めたいとことでしたので、『プレデター』のいちファンとして、また脚本の中でやってみたい部分もいくつかあったので、プロデューサーとして本作を引き受けることにしました。 
当時ちょうど自分の作品を製作中だったこともあって、監督するのはどうしても無理でした。また今夏公開を目指していて、時間的にも困難で、なら、プロデューサーということで。


M: 次の質問は日本からです。プレデターが狩りをするときは何かお決まりのルールがあるように見えますが、例えば常に1対1で戦うとか、妊婦は殺さないとか。 プレデターが狩りをする中で、サムライ武士道に通じるところはあったのでしょうか。


R: 勿論です。プレデターたちの行動規範のようなものはありました。ただ、部族の数は1つだけではありません。そこで既にご存知の通り、元々のプレデターと対立する2つ目の部族を作りました。 彼らは必ずしもイイやつらではなく、私達は“ビザーカー”と呼んでいるのですが、とにかく何でもアリなんですよ。相手が銃を持っていなくても撃ち殺してしまうような極悪キャラクターですからね。 


M:彼らが“切り札”となるのですね?


R:その通り。


M:日本からもう一つ質問です。キャスティングについて教えてください。ルイス・チャンチェンが日本人の極道役を演じていますが、なぜ彼をキャスティングされたのですか?


R:脚本には“50代半ばの極道”とあったと思います。 その配役は最も面白く存在感のある表情を持った俳優にしようと探していたところに、ルイスを見つけました。 彼の演技はすばらしいと思いました。 貫禄があるし、現代風な存在感を感じました。演技がありきたりにならないよう彼が努めたことで、キャラクターや背景を深く掘り下げることができ生い立ちについても素晴らしいバックストーリーを作ることができました。
キャラクターに命を吹き込むことができる俳優を見つけ、脚本を最終的に書き直すまでにそのキャラクターの舵取りができることが理想なんです。だってまだ形の整っていないキャラクターに誰かが入って実際に生きて、呼吸をするまでは、単にイメージでしかないのですから。彼のキャラクターはすごく格好よくて、彼の対決シーンではファンがワクワクするような見どころが沢山出てくるとおもいます。


M:次の質問はマレーシアのシネマオンラインからです。PG13指定になる予定ですか。レーティングに関してはどのように決められるのですか。


R:それについては初期の段階で話し合って、R指定でと決められていました。他の国ではどうレーティングされるか分かりませんが、アメリカでは確実にR指定となります。 実はスタジオからはR指定のDVDもあるし、その後の販促もあるので作品をできるだけどんどん血みどろにしろと言われていました。 だから遠慮せず最高の映画にして、本当に伝えたいストーリーを表現することに注力しましたね。 今思うと、PG13にすることになっていたら、製作においてもっと困難になっていたのは間違いないですね。


M:次は、ニュージーランドのFlix.co.nzからです。 オスカー俳優、エイドリアン・ブロディーを意外にもキャスティングするに至った経緯を教えてください。 アンチ・シュワルツェネッガーみたいな感じ?


R:彼のキャラクターは金だけが目当てでやってきたのに、しぶしぶこの惑星で殺し屋集団を率いることになってしまった役です。 元々過激な奇襲部隊の一員ではなく、知的で無血な(シュワルツェネッガーが知的でないという意味では無く・・・)どこにも属さずに自分の身は自分で守るという役柄で、エイドリアンもやる気でした。 その役にはやはり一流の俳優が必要で、彼が幸いにも興味を示してくれたのです。 オスカー俳優が自分の作品に出演したいと言ってくれればそれ以上のものは無いですよね。 
とにかくできるだけ一流の俳優を起用することが重要だったんです。 やっぱりキャラクターの持ち味を存分に高めてくれるし、観ると違いがよく分かるように、本物の役者が演じるとストーリーもよりリアルに感じるんです。その方がずっと恐いし。 
スクリーン上のものにどれだけ共感できて、リアルに感じれるかは、俳優の力にかかってるんですよ。


M:次の質問もニュージーランドからになります。
本作を監督ではなくプロデューサーとして関わることになったきっかけは何ですか。また、監督を決定する際最終的な決め手はなんだったのでしょうか。ニムロッド・アーントルって誰ですか!?スクープしなくては!
 
R:私はニムロッドを監督としていつもすごいと感服していてね。彼の初長編作品『コントロール』を観て、彼はとても機略に優れている監督だと直ぐに確信したよ。会ってすぐに意気投合しました。当時自分の作品の監督で手一杯だったので、素晴らしい才能のある監督が必要でした。夏の公開は確定していましたが、それでもこの作品に関わりたかった。じゃないと、きっと全く別の誰かにこの企画が渡っていただろうからね。 そうなるくらいなら、15年前みたいに企画ごとボツにする方がよかった。だから自ら監督探しをし、今ここまでに至ってるんだよ。 ニムロッドを『アーマード』の監督に決めたのは正解だね。俳優との距離が近く、雰囲気がよかったから、私の製作スタッフとも彼ならきっと問題なくやれるとわかっていました。 彼とは本当に気が合って、彼はすごくクリエイティブで常に集中していて、プレデターズの狩りのあり方についてストーリーを編み出していくのに素晴らしいアプローチをしていました。彼は特にそこに注力していましたね。 


M:次の質問はマレーシアからです。 本作の新しいプレデターについて教えてください。 種類が1つ以上あるようにみえますが・・


R:1種類だけでなく、1部族だけでなく、生き物も1種類 1 TRIBE, AND THERE’S NMORE THAN ONEだけではありません。 この惑星上、人間だけが餌食になるわけではないのです。プレデターズは彼らが狩る餌食によって進化し、より優れた殺人者やハンターになっていくので、異なる部族のプレデターズの方がもっと加虐的で極悪だったります。


M:次の質問は台湾からです。 キャスティングはどのようにされたのですか。例えば、エイドリアン・ブロディーについては、多くの観客が彼が穏やかで優しいキャラクターを演じるイメージを持っているかと思います。 しかし本作では異なるようです。 何が彼の本来のイメージを変えるきっかけとなったのですか。


R:私はいつもそういう感じでキャスティングするんです。最高の俳優が出演してくれて、普通だったら絶対やらないだろうという事をさせるのが大好きなんですよ。 私の作品のほとんどで同じことをしてきました。 俳優がいて、いろいろ試したり、想像もつかないような事をやってもらったりね。
ジョージ・クルーニーが最初にTVシリーズ『ER』でブレイクしたとき、誰も彼を起用しなかった。なぜならテレビでは彼が心優しい医者にしか見えなかったし、それが彼ができるすべてだと皆が思っていたからね。 素晴らしい俳優なら、実は何だってできるということを忘れていたんでしょうね。
だからすぐに彼を『フロム・ダスク・ティル・ドーン』で殺人者に配役しました。最高でしたね。エイドリアン・ブロディーもジョージ・クルーニーと全く同じで、とっても役に興味を持っていました。同様にアントニオ・バンデラスも私のアクション映画への出演を強く希望していました。 
彼はわりと印象が柔らかいヨーロッパ映画にしか出演歴がありませんでしたが、一流の俳優は何でもできると信じていたので、彼が肉体的にもメンタル的にも本気で役作りをするとわかっていました。
観た人をなんとか驚かせてみたいと、そこに懸ける彼の集中力はすごかったですし、人に何かを信じさせる能力もあります。より斬新なアプローチですし、そこが面白いんです。ある特定の役柄を以前既に演じたことのある俳優を起用しても、つまらないですよね。もちろんリスクはありますが、全くその役柄の経験が無いからこそ、良いんです。エイドリアンの場合はリスクとは程遠い、まさに適役でしたよ。


M:従来のイメージとはかけ離れた役を演じるといったサプライズのある配役は他にありますか。


R:みんないつもとは違ったことをしてますよ。アリス・ブラガは素晴らしかった。ローレンス・フィッシュバーンも本当に本当に素晴らしいキャラクターを演じてくれて、もう最高でしたよ!遊び場みたいに次々と人が来てはすぐ去ってみたいに、楽しい時間を過ごして家に帰っていくっていう感覚が好きなんです。 私の撮影はすごく速くて、普段あまりその人が演じない役をオファーしますが、いつも結果的にうまくいっています。だって俳優のほとんどが感謝してますから。


M:次の質問はニュージーランドからです。 既にあるプレデターキャノンに本作をどのように馴染ませていったのか教えてください。また、20年以上前に公開されたオリジナル作『プレデター』と本作とのアイデア面での相違は何ですか。



R:キャラクターはすごく有名ですよね。プレデター自体は誰もが知っているキャラクターです。そこで私たちがとった策は、シリーズの中の5作目ではなく、むしろ全く最初の作品のように仕上げることでした。さらに深刻な状況で、怖くて、まるで観客はその生物のことを全く知らないかのように。作中でも誰もその生物のことなんて知らないですよね。だからこそ、観客が信じれるような説得力のある演技のできる俳優でなければだめだったんです。 そうしたらまたそこには驚きがあって、新鮮さがあって、改めて新しいものとして感じることができる。まるで初めて体験するかのように見せることが狙いだったんです。


M:次の質問は韓国からで、おそらく今日投稿された中で一番多い質問でしょうね。 シュワルツェネッガーはカメオ出演していますか。


R:みなさんに実際劇場に足を運んでもらうために、答えは「たぶんね・・!」ということで(笑)。 でも彼は知事であり、もっと重要な仕事で忙しいから、頼ることなんてできないと分かっていましたよ。 ただ、それとなく彼ついて示唆されたりは何らかの形であるかもしれないけど、それより何より、今回まずは自分たちの映画を作りたかった。 傑作を作ることが一番の道だと思っていたので、もし映画がヒットしてたくさんの人に気に入ってもらえたら、続編なんかも作れて彼にも参加してもらえるんじゃないかな。だってアーノルドは最高だからね。原作について15年前に彼と話したことがあって、シリーズものが大好きだってことは知っていますよ。


M:彼だって一生知事ではいられないでしょうしね。


R:その通り。


M:次の質問はシンガポールから。 オリジナルの『プレデター』があって、『エイリアンv.s プレデター』があって、新作に至るまでの時系列の中で、本作はその流れに沿っていますか。


R:もともとかなり昔に思いついたアイデアなんですが、続編に2がつくのはやり尽くしたので、『プレデター2』はもともと無かったということにして、原作『プレデター1』に直結した続編を作るといった意味合いにしたかった。だから、1作目『プレデター』に対して『プレデターズ』なんです。 『エイリアン』と『エイリアンズ』みたいな感じで。 ですから他のシリーズ作を観なくても、新作は1作目との直の繋がりを含ませているので、それだけでご覧いただけます。でもオリジナルは是非観ていただきたいですけどね。


M:次の質問もシンガポールからになります。あまりプレデターたちの故郷について語られていないですが、狩りに行くことのできるプレデターたちはどのように選ばれているのか、また勝利したときに何か得ることができるのか、教えてください。


R:誰が選ばれるかって? あぁ!プレデターズのことですか!


M:サプライズということになっているのですか?


R:そうですね。脚本を読んでいる人がいるみたいですね・・・ 公開まで待って確かめてくださいね。


M:次の質問。 本作に出演しているダニー・トレホについてもっと教えてください。大好きなんです。彼は監督の作品全てにキャスティングされていますが、それについて聞かせてください。


R:彼からテキストメッセージがよく来るんです。コールバックすると、「今何してる?」「インタビューの最中、お前の出演作2~3本分の仕事を今してるんだよ!!」みたいなノリで・・(笑) あー、それで質問は何でしたっけ?


M:監督の作品の多くに出演している彼について教えてください、といった質問ですね。


R:僕が彼の出演を決めたんじゃないんですよ。 脚本家がダニーの大ファンでね、私が『マチェーテ』を製作してるのを知っていて、そのときパッと印象や迫力のある役柄のイメージを模索していて、当初ジェシー・ベンチュラのようなタイプを想定していたんです。 そこで彼らが脚本に(私の最初のドラフトではなくて)、“ダニー・トレホのようなタイプ”、ティファナの麻薬カルテルの用心棒で名前は“刃物”という意味のクチーロ“と書き込んでいたんです。ダニーは私の映画でいつも刃物業に携わっていて、それがまさに彼を起用するべきと閃いたヒントだったんです。 ハイどうぞと役を渡したくはなかったので、当分の間彼には出演はないと言ってありました。でもしばらく経ち、ダニー・トレホタイプの俳優はいないということに気付いて、じゃあもう本人にやってもらおう、と彼に決まったわけです。彼は面白いですよ、作品の中でも本当に楽しいキャラクターを演じてくれています。


M:次の質問は、映画はデジタルで撮影されたのですか。またその理由は?


R:パナビジョンのデジタルカメラで撮影しました。 実際のスクリーンに映る画と全く同じものを見ることができ、素晴らしいですね。見えているものがそのまま使える画になる。現場にいて欲しい映像をすぐにダイヤルで選ぶことができ、この方法で撮影するのは好きですね。あと、G.P.は最高でした。素晴らしい仕事をしてくれました。たぶん彼はコマーシャルだけですけどデジタルで撮影した経験があるんだと思います。でも映画はびっくりするくらい美しく仕上がっています。


M:次の質問は武器についてです。新しいプレデターズの武器がどんなのか楽しみです。昔の武器も使われたりしたのですか。


R:新しい武器はどんなのかって?もうたくさんあり過ぎるくらいですよ!なぜなら、様々な餌食を狩っていくことで、彼らは進化していくので、最後にみなさんの記憶にあるプレデターからは、かなり発達したものになっていると思います。新たなハンティングスキル、戦略、兵器を取り入れて、どれほどまでに残忍で非道なものになっているかを見るのはワクワクしますね。もうすぐそこのエフェクト編集が終了する予定なので、完成版を見るのがとても楽しみです。もう一つの質問は何でしたっけ?


M:昔の武器も使われたのですか。


R: そうですね、1作目で使われた武器で気に入っているのがあって、そのまま用いたり、すこし改良したり、新しい要素を加えたりしました。ショルダーマウントはまだ付いていて、腕にもブレードがついています。それらは単に生まれた時から付いてくるような基本の組み合わせで、そこから色々カスタマイズするんです。


M:次の質問です。本作を3Dで撮影することが検討されましたか。監督が3Dが大好きなのは知っていますよ。 


R:3D大好きです・・・これはあんまり3D向けの作品ではなかったのと、製作スケジュールもかなり短かったんですよね。 もちろん3Dでも出来るでしょうけど、本作がうまく3D環境にフィットするとは思えなかったというのは正直あります。 別の企画で是非やりたいですけどね。


M:『プレデター2』とか?


R:それはどうかわからないけど、、、『プレデター 3D 』まで飛んだりして!?


M:いいですね。


M:次の質問は、新しいモンスターや生物にCGIを多用しなかったのはなぜですか。


R:CGIはごく限られた特定のものにしか使いませんでした。でもプレデターズに関して言えば、当時のやり方でやることにこだわりました。その方が良く見えるし、照明のあたるところにあって、俳優にとっても反応しやすく、感触が掴みやすいですしね。人の形をしたものを同じ環境に入れたからこそ耐えられたんだと思います。変える必要はありませんでした。壊れていないものを直す必要なんてないでしょ?


M:その通りです。


M:次の質問は、新作では新しい宇宙船とかにプレデターズの新しいテクノロジーを期待できますか。


R:はい、新型の宇宙船を作りました。沢山ではないですが、新しいものがいくつかあります。実際、本作自体まったく新しくて、新鮮な感覚で見ることができます。 私も何回か既に観ていますが、そのたびに・・・フレッシュな感覚があって、いいですね。 今改めて再発見したような気持ちになります。 他のシリーズで使われたものも新作の中では、全てが新しく思えます。


M:次の質問です。 映画で使われた音楽について教えてください。作曲に関わられたのですか。


R:これまでに何度も一緒に仕事をしている、ジョン・デブニーにお願いしました。彼は本当に優れた才能を持っていて、何度も私の作品に関わってくれています。『アイアンマン2』に関わっていて、ちょうどそのオープニングを終えたところで捕まえました。笑  私たちは一緒に決めていくのが好きなので、私に何か曲についてアイデアを出して欲しいみたいだけど、もし時間があれば。。 私もちょうど『マチェーテ』の作曲が終盤にきていているんでね。
でもすごく素晴らしい曲なので、何かアレンジできないか考えてみるよ。あと、アラン・シルヴェストリのオリジナルの楽曲も活用してるよ。 だから新作の中で1作目『プレデター』の音楽もいくつか聞くことができますよ。すごく象徴的だし、聞いているだけでワクワクしますね。今回使うことができて嬉しく思います。それがないと本物のプレデター映画のような雰囲気が出ませんからね。


M:素晴らしいですね。次の質問は・・・プレデターの惑星について、様々な憶測が飛び交っていますが、今回の新しい惑星は実際の彼らの故郷として描かれているのですか。
 
R:いいえ、、そこまでの余裕はありませんでした(笑)。そもそも私の企画では彼らの故郷の惑星を描くことすら考えていなかったんです。ですから映画の中の惑星は単に彼らが狩りをするための惑星なんです。そのためだけの領域なんですよ。 なので、この惑星に関してはやりたいことを何でもかんでも全部詰め込んでみました。何にも属してなくて因果関係もない、全く新しいものですからね。 


M:血に関する質問を沢山頂いています。 まずは、みなさん新作の中での血の色が知りたいようですが。


R:ストーリーの中で最初から重要な一部分であるオリジナルのプレデターは、1作目で観たように同じタイプのプレデターとしか接触しません。同じ部族、同じ顔、同じ特徴の体を持ち、武器も一緒。アーノルドの映画に出てきたプレデターです。でも、その後彼らは変化し、デザインも大幅に変わったので、あんまり見分けがつかないと思います。だから尚更オリジナルのプレデターが居ると引き立つんですよ。 オリジナルの血は人間と同じ普通の血の色です。新しいプレデターのは、、まだ決めてないですね・・撮影の時にある液体を使ったのですが、色は後から自由に変えられるんです。
 
M:では実際本編を観て確かめるしかないですね!


R:編集を終えるまではなんとも言えませんが、この瞬間まで血の色について考えもしませんでした。できれば新しいプレデターの血は変えたいですね。 第一、1作目のキャラクターが既に傑作なんだから、新しいキャラクターなんでどうでもいいですよ。オリジナルに色々手を加えるなんてしたくないですし。新しいキャラクターには何だってできるけど、今回は悪者だから好感を持たせないようにしなきゃ(笑)


M:次の質問はオーストラリアからです。 『プレデターズ』は前作のどの作品と比べて、より各キャラクターの性格描写を深く掘り下げているのでしょうか。 
 
R:そうですね。そこが脚本段階で最も突き詰めた箇所でした。どの出演者にも自分が出る作品ではスターになれるんだ、という気持ちでいてもらいたかったんです。しかも今回はプレデターに対しても同じことが出来る。ただそこに居るだけではつまらないでしょ。それぞれの個性や人格をしっかり確かめることで他者と区別し、より個々のキャラクターを深く理解することが出来るのです。それを達成するのに、かなり時間をかけましたよ
 
M:プレデターズをどのように捉えていますか。故郷をはるか昔に離れ、銀河系をさまようハンターとか?!彼らは監督から見てどんな生き物なのですか。


R:彼らのことを、必ずしも家に帰る人のようには見据えていませんでしたね。ここで狩りを楽しんで生活していて、一生どこにも“帰らない”ように見えますね。ただ単に狩りをして殺す以外ないんじゃないかな・・。


M:そもそもなぜプレデターを脚色しようと思われたのですか。漫画が好きだったから?それとも1作目の映画? または両方のファンだったから?


R:映画の大ファンだったからです。観た後に脚本を書きたいと思いましたね。当時私が一番最初の脚本を書いていたときはまだ漫画はなかったんじゃないかな。
脚本家として最初に雇われたのは1994年で、1作目に起因した映画作りに脚本家として参加したかったんです。それが今何年も経った後プロデューサーとしてここにいる。 実はコミックの映画化も考えていて、「ダークホース」を基に企画しています。すごくいい作品ですよ。


M:ジャングルの映像がすごいですね!どこで撮影されたのですか。できたら近いうちに休暇で行きたいのですが・・・


R:撮影はハワイなんですけど、そこは誰も来ないようなスゴイ場所で・・・でもすごく美しい所ですよ。
イロという、ハワイでも奥地の方で行くのも大変なんです。そこと、ウソだと思うかもしれないけど、テキサスのオースティンもロケ地なんです。スタジオ側は1日置きに「どうやってそんな場所見つけたんだ!?」って聞いてくるんで、そのたびに「君たちがいるところからすぐ道を下ったところだよ」って言ってましたよ。 オースティン市内外で撮りました。 「じゃあそこはどうやって見つけてきたんだ!? え?そこもオースティンなの??」 みたいな感じでしたね。笑 ロケ地に使ったその場所のほとんどが風変わりな岩の形をしていたり、公園にも奇妙な自然がたくさん残ってるんですよ。


M:次の質問は韓国から。 『プレデターズ』の時系列はシリーズ前作と同じですか。それとも監督が作り出した全く異なる世界なのでしょうか。


R:そう、全く別の世界です。他の作品のようにきちんと時系列に沿ってはいません。1作目の後の物語なのは間違いないですが、一体どれくらい後に起こったかは明確にはしてないですね。


M:映画監督を始められたばかりの頃は、もっと低予算でエフェクトをベースに作られていましたよね。CGIも時代によって変わってきましたが、『プレデターズ』のような映画を作っている現在と、15年前のCGIの映画製作と比べてどう変化してきているのでしょうか。


R:プレデターズはあまり良い例ではないかも。 作品を後押しするために、毎回作品にできるだけ多くのテクノロジーを取り入れて、色々なことを試していく中で、良い前例を作れればいいなと思っています。 『シン・シティ』なんかもそうです。
『プレデターズ』に関しては、より本物っぽく見せるために、ロケ地もより信じられるものにするために、以前のやり方に近い方法で撮りたかったんです。 CGIは不可能を可能にするための促進剤でしかありません。 私たちのイメージやアイデアが技術では実現できそうにないときに、はじめてコンピューターを使うことになるんです。 もし今と同じアイデアを当時やろうとしても、それはやはり無理でしょうね。
だからCGIには深く依存はしません。あるアイデアを実現したいときにだけ用いて、それ以外はより現実的であろうと思っています。


M:次の質問は、ウィキッドフィルムから。 ヒット作品のファンは特に大きな期待を持っていて、幾度となくへたな続編にがっかりさせられてきました。本作を『エイリアン』や『ターミネーター2』のような最高レベルの続編に持っていく要素とはなんでしょうか。


R:誠実なファンはそう感じることもあるかもしれませんね。 幸いスタジオ側は好きなように作れ!と激励してくれました。 しかもかなり協力的で、こんなにスゴイ映画を自分たちだけで作ることができました。 だって私たち自身もファンだし、ルーツやその本質、また当時の時代性に立ち返ってみたことで、多くのファンはきっと気に入ってくれるだろうと確信していました。
うまくいかなかった続編にもメリットはあります。“やるべきでない”ことが見えてきますからね。ここまで来るまでに、あぁあれはしちゃいけないな、とかそれはやめてこっちにしようとか、すごく参考になりましたよ。 ある意味、克服するはずの域を狭めてくれるというか・・・思うに、他の人が色々試してきた手法から学べることが大きいですね。その分本作では自分たちは得をしたと言えますね。


M:プレデターズの手についてもっと聞かせてください。


R:前作に出てきたプレデターの中であるハンティング技術を持ったものがいて、プレデター・トラッカーズと呼んでるんですけど、そのプレデターの手がその形だったんです。どう表現すればいか分からないけど、、、すごくリアルでカッコいいですよ。ちゃんと再現して作ったんです。CGIも少し使いましたけど、よく出来てますね。かなり気に入ってます。


M:役作りのために俳優はどのようなトレーニングをされたのですか。


R:あっという間だったよ。 撮影に入る2週間前から呼んで初っ端から惑星に放り込んだよ。準備なんかできないでしょ。映画の中の登場人物だって、事前に準備なんかできない。ただ惑星に落とされて、その後はひたすら死なないように突き進むのみ・・・
だから役作りの準備に関してはかなり慌ただしかったよ。あまりモダンなやり方とは言えないね。現場のエネルギーはすごかった。みんなお互いによく色んな話をしていて、そこでの親密さや質感が映画にも表れています。幸いみんな撮影に入る頃には準備万端で、演技に入る頃にはベストの状態でしたね。
 
M:ロバート、いよいよ最後の質問になります。15年間映画を作り続けてきて、今回は監督ではなく本作プロデュースしていらっしゃいます。十分納得していらっしゃいますか。


R:この上なく幸せに感じています。 15年間以上かけて作り上げてきたチームと共に、この夏最高のプレデター映画をリリースすることができる。ここまで築き上げるまで本当に長かった。15年前から一緒に製作活動をしているスタッフも何人かいます。 最高のチームを作り上げてきて、今自分が実際に監督するまでもないところまで来れたのは、ある意味自然な進化のように思えます。
優れた監督と有能な脚本チームを見つけ、自分の製作スタッフを使い、皆でこの本当に素晴らしい映画を送り出すことが出来るんです。もう、最高にワクワクしますね。


M:改めまして、『プレデターズ』公開、おめでとうございます。本日はお忙しい中、お越しいただき有難うございました。


R:こちらこそ!


H:また、インターネットで沢山の質問を寄せてくださった皆様、本当に有難うございました。公開したらたくさんの観客が列を作って今日明かされなかった秘密を確かめにいくこと間違いないですね!.
有難うございました。『プレデターズ』は7月に公開となります。
今日明らかにならなかった質問の答えを、是非劇場でお確かめください!テキサスのオースティンよりお送りしました。


R:有難うございました。 
以上。
映画『プレデターズ』
7月10日より、全国ロードショー
(c)2010 Fox and its related entities. All rights reserved.
[公式サイト]

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