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更新 2008年01月17日

『PERSONA ペルソナ』樫原辰郎監督・脚本インタビュー

1/26に公開される『PERSONA ペルソナ』は、同名のゲームとは無関係。人気アイドル山崎真実初主演の映画は、よくあるレディスアクションとは一線を画す、骨太で斬新なストーリーの中で、アクションが必然的存在の大注目作。そこでこの斬新なストーリーをオリジナル脚本で構築し、監督としても見事な手腕を発揮した樫原辰郎(かしはら・たつろう)脚本・監督にお話を伺った。

--そもそも本作に関わられた経緯とは、どのようなものだったのでしょう?

「私が参加した時点ですでに、レディースアクションの映画で、アクションは谷垣健治さんが担当するということと、主演は山崎真実さんというところまでは決まっていました。山崎さんは高校の時に、新体操部で国体に出場経験があるほど体が動くと言うことで、このワクを活かしたプロットを頼まれたので、短い時間でまとめたものを送ったわけです。それでラフなプロット、最終的な映画と基本的には同じものを提出したら評判が良かったんです。気に入られた理由は、プロットにアクションの必然性が盛り込まれていること、ロードムービーとして日本の地方の風景が織り込まれていたことでしょうか」

--SF仕立てなのが新鮮でしたが?

「普通に突き詰めたら、激しいアクションが劇中で展開するには、前提として香港映画によくあるような、訓練や修行が欠かせないはずですよね。そこで普段から暖めていたストーリーのアイデアが幾つかある中から色々応用して、他者の記憶をインストールするという設定で、修行を省略できたわけです。その他にも、死んだ奥さんに会いに行く話って良いよなとか、色々考えてました。脳については、グレッグ・イーガンとかテッド・チャンなどの、今一番イケてるSF小説を参考にしました」

--きわどい衣裳で激しいアクションというのも、冒険でしたね。

「クライマックスは、裸に近い格好に上一枚だけ羽織って、というような原案もありましたが、さすがにそれは無理でした。山崎さんは水着の仕事は経験していたので、それに近いところまではオーケーと言うことで、劇中のような形に落ち着きました。そもそも最初の登場シーンから病院の室内着で、走ったり大きな動きをとるには向いていなかったので、アクション監督の谷垣さんには、ご苦労をかけてしまったかも知れません」

--撮影でのご苦労というのは?

「地方で撮影すると安上がりだし、応援態勢も万全でいいんです。クライマックスの集団バトルのシーンなんかは、後の方の敵は宇都宮大学の学生さんですし、舞台になった古い建物は大正時代くらいに建てられて、今は使っていない旧講堂でした。昭和には長い間、クラブハウスとして使われていたものが近年老朽化で使用を中止していました。撮影の前に消した落書きには、60年代後期とわかる年季の入ったものもありましたよ。地方と言っても、たとえば沖縄ぐらい東京から離れたら、もう泊まりがけしかありえません。ところが栃木のように同じ関東だと距離が微妙でしてね。山崎さん、萩原さんなんかは出ずっぱりですが、要所要所で登場する佐野さんなんかは、ワンシーン撮ったら東京にトンボ返りと言うのをくり返してました。また気候が読めずに、1月のロケハンで日光あたりで、3月には雪はどうでしょうと聞くと、充分ありますよと地元の人は保証してくれて、その頃には革靴では厳しいほどのつもりようだったんです。それで第1稿にはない、雪のシーンまで書き加えたのに、2月がエライ暖冬で、撮影を開始してみると、雪が全然ないんです」

--ですが、劇中では雪のシーンがかなりありましたけど?

「これが忘れられないんですが、宇都宮はダメでも、日光の上の方ならきっと、と思っても、そちらもサッパリでした。困ったねえと言いながら、12日間の撮影でしかたなく雪のないシーンを撮ってたんですが、ラスト3日というところで、どうもこのあたりなら降る<だろうとあたりをつけた場所に、一面の雪景色になるまで吹雪いてくれました。劇中で夜に車が雪の降る中を走るシーンがありますが、あれはその時間帯を逃したら、もう撮れないだろうと言うことで撮ったんです。雪が降ったら降ったで、今度はカメラが低温で動かなくなるのが心配でした」

--同ジャンル映画へのオマージュ的意味合いもあって、佐野史郎さんや森次晃嗣さんは、一連の円谷プロの常連という位置づけからの起用と思われますが……

「私の本企画への参加は、最初は脚本だけだったのが、その脚本を最大限に生かせたり、現場で変更や修正ができるのは自分しかいないと言うことで監督まで引き受けることになり、キャスティング会議になって、誰が良いでしょうと意見を求められました。森次さんは博士役は今までないと言うことで早い段階で決まり、大変光栄でした。悪役では佐野さんが理想でしたが、企画の当初はレディースアクション、Vシネ風だったので、この作品規模に佐野さんのご出演はないだろうと思ってました。萩原聖人さんは、ハードボイルドっぽいところと、精神的にもろい部分の境界線が表現できるうまい役者さんだなと注目してはいましたが、やはり本作への出演など無理だろうと思ってました。鈴木砂羽さんにもぜひ出ていただきたかったのですが、スケジュールが合うかはわかりませんでした。それが企画会議を重ねるたびに、とんとん拍子で次々に出演が決まっていって、会議自体の熱気も上がり、スタッフも俄然やる気が増していくのが手に取るようにわかりました。ポスターも作品のグレードが増したことを示しています。これだけそうそうたるメンバーにご出演いただいているのですから、やはり劇場公開しよう、それもレイトショーでなく、日中公開でと言う話になりました」

--通常の世界観から、自分の持つ独特の作品世界へと観客を誘導するのはなかなか難しいのに、本作はスムーズだったと思います。この点で留意された点は?

「何回か脚本を推敲するうちに長編になってしまい、編集の宇田川さんから、これは長すぎますと率直な意見をもらえたのがありがたかったですね。回想シーンなどももっと多くて、そのままでは撮りきれませんでした。じっくりと時間をかければそれだけよくはなるでしょうが、プログラムピクチャー的な早撮りのイキの良さとかエネルギー、ソリッドな凝集感みたいなものも、それはそれで味として捨てがたい良さがあると思うんですよね」

--監督はたくさん映画をご覧になって、良く研究を重ねてらっしゃいますが、現在、他の作品を観る視点は、脚本家のものでしょうか、監督の視点になっているんでしょうか?

「監督ですね。今回、本作が当初の企画から、あれよあれよと格が上がっていったので、この勢いを生かして、次回は、そしてまた次はと、確実にスケールアップしていきたいし、その腹案はきちんと持ち合わせています」 『PERSONA ペルソナ』
2008年1月26日(土)より、シネマート六本木他にて全国順次ロードショー
●製作年:2007年
●製作国:日本
●上映時間:84分
●製作総指揮:斎藤正明、井内徳次 
●監督・脚本:樫原辰郎
●アクション監督:谷垣健治
●出演:山崎真実、萩原聖人、鈴木砂羽、佐野史郎、森次晃嗣、木村祐一ほか
●製作・配給 「PERSONA ペルソナ」フィルムパートナーズ(クレイ、テンダープロ)
●制作:キックファクトリー
●配給協力:リベロ
公式サイト:http://persona-movie.jp/index.html
©「ペルソナ」フィルムパートナーズ




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