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更新 2008年08月07日

世界のPKのプロレスジャム

第3回 女子プロレスファンは女子プロレスを見ながらオナニーするのか?
 〜いっちゃうぞ!バカヤロー!〜

「女子プロレス見ながらオナニーするの?」 この質問を投げかけられた事は1度や2度ではない。たいていの場合、飲み会の席などの冗談混じりではあるが、何度も聞かれるという事は、世間の『女子プロレスに興味のない人』の多くが『女子プロレスファンは女子プロレスを見ながらオナニーするのか?』という疑問を抱いているのだろう。

長年プロレスを観戦をしてきて、自分の知り得る限りの交友関係からたどり着いた持論として『コアな女子プロレスファンであればあるほど、女子プロレスを性的な目線では見ていない』。言うならば『女子プロレス脳』、更に女子プロレスファンチックに言うならば『ピュアハート』の持ち主は、女子プロレスとエロは結びつかない。
私の場合、女子プロレスにハマったのは18歳ぐらいの時だったが、女子プロレスを性的な目線で見る事は無かった。多かれ少なかれ「エロい」と思う瞬間はあったと思うだが、「女子プロレスは神聖なものであって性の対象にしてはならない」という「本命のアイドルではオナニーしない」みたいな、いわゆる中二病的な思考が働いていたのではないだろうか。何より当時の女子プロレスには「エロさを感じさせないほどプロレス本来の面白さがあった」というのが一番の要因であったと思っている。

そういった『ピュアハート』の持ち主を象徴するエピソードとして、女子プロレスラーがオークションでコスチュームを出品して、知り合いのオッカケの男性が落札したのだが、他のオッカケ仲間が冷やかしで「変な事に使うんじゃないの?」と言うと「そんな事しないよ! そんな事させない為に俺が落札したんだよ!」と力説しだした。彼の主張をまとめると「知らない人の手に渡って、好きな選手のコスチュームを性的な目的で利用されない為にも、自分が落札する事でそれを防いだ」という事だ。バカバカしい話だと思うだろうが、彼の目は本気だったし、多少の照れ隠しはあっただろうが、彼は落札したコスチュームを使っていかがわしい事は行えない『ピュアハート』の持ち主だったと思う。
余談だが、オッカケはたいてい選手とある程度面識があるので、選手側があらかじめ「今度オークションにコスチュームを出すから○○さん、落札してよ!」とオッカケを煽って値段を吊り上げる様な事もあったと聞く。
とにかく、コアな女子プロレスファンは純粋に『女子プロレス』というジャンルを楽しんでいて、それを性の対象としては見ていない。『ピュアハート』を持った女子プロレスファンは、女子プロレスをエロとして見ることは一種のタブーなのだ。

実は「女子プロレス見ながらオナニーするの?」という質問はプロレスを全く見ない人だけでなくプロレスファンから言われる事も多い。1993年頃からの女子プロレスの対抗戦ブームの時代、「女子プロレスはプロレスとは別物」というスタンスだったプロレスファンの一部が女子プロレスを容認する形に乗り換えるケースが増え、プロレスマスコミも積極的に女子プロレスを取り上げる様になった事で、女子プロレスを認める事が出来なかった一部のプロレスファンにとって、女子プロレスファンというのは、言うならば『別の宗派=敵』だった。「なぜ女子プロレスが流行っているんだ?」という疑問の行き着く先が「エロい目線で女子プロレスを楽しんでいる」という結論となり、対抗戦ブームの頃「お前ら、女子プロレスでオナニーしてるんだろ!」と言った類の発言はよく聞かれた。女子プロレスファンとしては、同じプロレスファンから投げかけられるこういった発言は、非常に不愉快だったし、腹立たしかった。とにかく悲しいぐらいに純粋に女子プロレスを見ていた。

そんな『ピュアハート』の持ち主だった私にも転機が訪れる。熱心に応援していた女子プロレスラーが引退して、同時期に転職をしてプロレスの生観戦がほとんどできなくなってしまった。生活環境の変化もあり、自分からプロレスに対して一線を引く様になった(結局、思いっきり帰ってきてしまったか……)。そんな時、特に見ようと意識していたわけでなく、なんとなくつけていた女子プロレス中継を見て「女子プロレスって、冷静に見るとエロいな」という発想が頭の中に浮かんだのだ。その時の事はよく覚えているのだが、今まで自分の中にあったなんらかのストッパーが外れてしまったのだろう。女子プロレスを『プロレス』として見るのではなく、視点を変えて『エロ』だけを抽出してみると、若い女の子が水着姿でくんずほぐれつしているのだ。どう考えたってエロい。これを長年「エロくない」と見続けていた『ピュアハート』はある意味宗教的だったとすら思う。この時以降、ようやく『女子プロレス=エロ』と結びつける人を理解できる様になった。
「女子プロレスはエロくない」と主張すればするほど、それは滑稽でキモいのだ。だからここで『女子プロレスファンは女子プロレスを見ながらオナニーはしない』と強く主張しても、女子プロレスファン以外にはどうしても説得力が無いのはわかる。しかしながら『プロレスとしての女子プロレス』と『エロとしての女子プロレス』では見ている層に大きな隔たりがあり『プロレスとしての女子プロレス』と『エロとしての女子プロレス』を同列に扱っている人は極めて特殊であるという事を強く主張したい。

しかし『エロとして女子プロレスを見ている女子プロレスファンは女子プロレスファンでは無い』というのは勝手な話で、どういった視点であれ、女子プロレスファンであることには変わりはない。『女子プロレスファンは女子プロレスを見ながらオナニーするのか?』と言う問いには『性の対象としての女子プロレス』というプロレス側からはほとんど語られない側面について考えなければいけない。
極めてエロ要素の高い『キャットファイト』という分野の存在や女子プロレスラーの写真集やグラビアが根強い人気があるのは事実だ。自分は女子プロレスファンとして綺麗すぎる道を辿ったので、その裏に確実に存在している『エロとして女子プロレスを見ている女子プロレスファン』との接点がほとんどなかった。これを読んで「お前は何もわかっていない」とか「エロとしての女子プロレスはジャンルとしても大きく盛り上がっている」と言う人もきっといるだろう。そういう人の視点というのは非常に興味があるので機会があればぜひ話を伺いと思う。

「女子プロレス見ながらオナニーするの?」。この疑問にはっきりとした答えを導き出すことはできない。きっとこれからも女子プロレスファンは「女子プロレス見ながらオナニーするの?」と聞かれ続けるのだろう。

世界のPK

暗黒プロレス団体666の旗揚時に、病的なプロレスファンという事で巻き込まれ、そのままスタッフとして参加。第284代アイアンマンヘビーメタル級王者にして、プロレス知識力認定試験2級保持者。「ロイヤルビデオランブル」や「レッスルビデオマニア」などのプロレス映像イベントにも出演する傍ら、「コアチョコTシャツデスマッチ」などイベントでもプロレス部門を担当するなど、多くのイベントにゲストとして参加。
プロレス団体の運営にかかわりながら、今でも病的なプロレスファンとして日夜、プロレス道を探求中。

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